看護学領域の紹介

看護学領域は、基礎・地域看護学分野と臨床看護学分野の2領域からなります。

基礎・地域看護学分野は、看護技術の原理・原則、看護管理や教育能力、地域や在宅における看護の課題に関して探求し、看護実践に応用展開できる能力を養成します。看護実践に関わる普遍的なテーマや新しい看護技術の開発、または地域・在宅看護上の課題を探究したいと考えている皆様をお持ちしています。

臨床看護学分野では、生から死までのあらゆる発達段階の様々な健康レベルの対象に対し、専門的かつ多角的な視点から課題を探求し、専門分野の発展に寄与できる専門職を養成します。皆様の日常の臨床での課題の解決方法を、成人看護、母子看護、精神看護、老年看護分野のそれぞれの教員の指導の下に、探求してみたらどうでしょうか?本分野に併設したがん看護専門看護師(CNS)コースでは、がん患者とその家族に対し専門的かつ高度な介入を実践できる専門職を養成しています。がん看護の能力を発展させ最終的にCNSを取得したいという意欲のある看護師さんをお待ちしております。

診療看護師(NP)コースでは、医療環境や医療技術の急速な変化・発展に対応できる高い倫理性と柔軟な適応能力を備え、保健医療の中核を担える専門家を育成します。特定行為研修は21区分すべてを実施し、患者に対してタイムリーに介入が実施できることで地域における急性期から在宅医療までを支え地域に貢献したいと考えている看護師をお待ちしています。

修士論文の作成では、担当教員の直接指導に加えて、1年次に研究計画発表会、2年次に中間発表会を実施し担当教員以外からも様々な指導があり、看護学領域全体でのバックアップ体制を採っています。

基礎・地域看護学分野 教員紹介

職名 氏名 研究テーマ
E-mail
教授 工藤 由紀子
  • 看護技術の科学的根拠の検証に関する研究
  • 医療技術・医療的ケアの安全性評価
  • 看護教育に関する研究

私は、看護技術の科学的根拠の検証、医療技術・医療的ケアの安全性評価、看護教育に関する研究を行っています。看護の対象への安全安楽な看護技術提供のために重要な課題と考えています。

yukiko*hs.akita-u.ac.jp
准教授 長谷部 真木子
  • 看護職の安全な抗癌剤取り扱い方法に関する研究
  • 看護技術教育における認知心理学的研究

私の主な研究テーマは、看護技術の教育方法についてです。看護技術の初学者である学生にとって、理解し易い教材とは何か、理解し易い教育方法とは何かを探求することです。将来看護職に就く学生にとって、基礎看護技術は土台の部分であり、重要なテーマと考えています。また、共同で抗がん薬による職業性曝露やその取扱い方法についても研究を行っています。

hasebem*hs.akita-u.ac.jp
准教授 長岡 真希子
  • 保健・医療・福祉の連携、情報共有と管理に関する研究
  • 在宅療養支援・退院支援に関する研究
  • 地域診断と保健活動の展開に関する研究

私の研究のテーマは退院支援や医療連携、地域保健、在宅看護に関することです。病気や障がいがあっても地域で安心して生活するために、地域の皆さんがより健康で過ごすために、どのようなサポートが必要か、地域で活躍する看護職の皆さんと一緒に考え実践していきたいと思っています。

nmakiko*hs.akita-u.ac.jp
講師 菊地 由紀子
  • 看護師の勤務形態と健康影響に関する研究
  • 看護の職場の有害因子が看護師に与える健康影響と安全管理

私は、看護師の職業性曝露や勤務形態が与える健康影響について研究を行っています。質の高い看護を実践するために、看護師自身が健康を維持しながら働き続けるための方策について、考えていきたいと思っています。

kikuchi*hs.akita-u.ac.jp
助教 杉山 令子
  • 抗がん薬曝露防止策に関する研究
  • 外来がん化学療法をうける患者への支援に関する研究

私の主な研究テーマは、抗がん薬曝露防止策、外来がん化学療法中の患者への援助です。特に、外来がん化学療法中の高齢者、大腸がん治療であるFOLFOX療法などの自宅で抗がん薬を持続注入する治療に関するテーマに取り組んでいます。がん患者がより安全で快適な療養生活を送れるよう、手助けしたいと考えています。

sugi*hs.akita-u.ac.jp
助教 藤田 智恵
  • 地域の互助に関する研究
  • 介護予防自主グループの活動に関する研究

私の主な研究テーマは地域保健活動に関することで、中でも地域包括ケアシステムの視点から地域の互助や介護予防の自主グループなど、地域住民の主体的な活動に関心を持って研究に取り組んでいます。住み慣れた場所で住民同士が支え合いながら、安心して自分らしく暮らすための地域づくりについて共に考え、研究に取り組みたいと考えています。

tomoef*hs.akita-u.ac.jp

※メールアドレスを使用する場合は「*」を「@」に置き換えてください。
 例:abcd*hs.akita-u.ac.jp → abcd@hs.akita-u.ac.jp

基礎・地域看護学分野から

基礎看護学では、看護職の健康管理や看護技術のエビデンスに関する研究などを行っています。主な研究テーマは看護師の職業的発達や抗がん薬による職業性ばく露が看護師に与える健康影響と看護師の健康管理についてです。質の高い看護実践の基本は看護職自身の健康であり、これらは大変重要なテーマと考えています。また看護技術の研究では、当分野の教員と一緒に看護技術の効果的な教育方法の検討も行っています。現在はバーチャルリアリティシュミレータを用いた看護技術の教材開発などにも取り組んでいます。
 臨床実践における疑問や看護職自身の健康管理について、また看護実践のエビデンスの探求など、様々なテーマで研究に取り組んでいます。看護の質を高めるために、一緒に研究に取り組んでみませんか?

地域看護学では、地域・在宅領域の看護研究を行っています。地域における保健活動に関する研究、多職種連携や退院支援に関する研究、地域住民の主体的な活動や地域づくりに関する研究など、住み慣れた地域で暮らす人々を支えるための支援や方策を探るため,多様な研究手法を用いて行います。
 看護師療養者間、看護師看護師間などに起こる看護現象を質的手法(インタビューや参加観察など)を用いて概念化したり、住民や看護職の意識、地域や在宅における現状などを量的手法(アンケート調査など)を用いて統計的に分析して明らかにしていきます。少子高齢化や人口減少が著しい秋田ですが、秋田の良さを活かし、共に暮らす人々の健康やより良い生活について、研究を通じて私たちと一緒に考えてみませんか?

臨床看護学分野 教員紹介

職名 氏名 研究テーマ
E-mail
教授 米山 奈奈子
  • DV・虐待・性暴力等の被害者への看護支援に関する研究
  • 地域で精神保健上の問題を抱える当事者・家族への看護支援と予防啓発に関する研究
  • 女性のメンタルヘルスに関する研究

私の専門は精神保健看護学(Psychiatric and Mental Health Nursing)で、主な研究テーマは、アディクション問題を抱える人々の看護支援、地域の人々のメンタルヘルス、看護職など支援者への精神保健看護的支援です。また、DVや虐待、また性暴力などの暴力被害者への看護支援を含む、法看護(Forensic Nursing)学という新しい看護学領域を北米から紹介し、志を同じくする友人知人たちと日本フォレンジック看護学会(JAFN)を立ち上げました。心の看護の世界は深くて広いです。ぜひ一緒に学び、研究をしてみませんか?

nanako*hs.akita-u.ac.jp
教授 安藤 秀明
  • 緩和ケア症状マネージメント
  • リンパ浮腫ケアに関する研究
  • 中高生に対するがん教育
  • シュミレーション教育

私は、秋田大学医学部附属病院緩和ケアセンターおよびシミュレーション教育センターで臨床および教育を兼任しています。緩和ケアについては、実臨床にかかわる支援・援助を研究しております。また、教育については、多職種連携セミナーを行いながら、教育手法やプログラムについて研究しております。

andoh*gipc.akita-u.ac.jp
教授 鈴木 圭子
  • 高齢期の健康増進とケアに関する研究

我が国は長寿国として知られていますが、平均寿命の延長と共に健康寿命の延伸が課題となっております。そのため、どのような要因やケアが高齢者の健康や生活自立に関係するかを地域及び臨床において調査しています。高齢者の健康増進や介護予防に関する研究を行いたい方の入学をお待ちしています。

keiko*hs.akita-u.ac.jp
教授 吉岡 政人
  • 肝切除後の肝不全予防のための細胞増殖能亢進に関する研究
  • イオンチャネルと細胞増殖機構に関する研究
  • 画像解析を用いた腫瘍悪性度診断に関する研究

私は、肝切除後の残肝量低下に伴う肝不全発症を予防するため、肝臓における細胞増殖能の亢進や肝虚血再灌流障害の軽減化、ATP感受性カリウムチャネル操作による肝細胞増殖などの基礎研究を行っています。また、臨床研究として、画像解析を用いた腫瘍悪性度の定量化なども行っています。

masato*gipc.akita-u.ac.jp
教授 眞壁 幸子
  • 整形看護に関する研究
  • 国際看護に関する研究
  • 看護用具に関する研究

私は、日本と英国での看護師としての経験があります。日本での看護の専門性を高めていきたいと思っています。研究では、独創性、国際性、学際性、市民性を大切にしております。研究は研究のためにあるのでなく、臨床を大切にし、困難な状況にある対象のことを考えて研究し、研究成果が臨床に還元できるところまでを研究として活動しています。日本の課題は日本の外からみて初めて把握でき、解決策も生まれると信じています。ぜひ眞壁研究室にいらしてください。海外を研究フィールドにしたい方もどうぞご相談ください。

smaka*hs.akita-u.ac.jp
教授 成田 好美
  • 妊婦の歯科保健に関する研究

私は、母子看護学の特に助産師教育を専門としております。これまで、妊婦の歯科保健、妊婦の出産不安について取り組んできました。ライフワークとして思春期保健、性教育を続けています。今後は青年期女性が月経中を快適に過ごす総合的支援~セルフケアの拡充を目指す研究に取り組みたいと思います。

yoshimi*hs.akita-u.ac.jp
教授 大高 麻衣子
  • 小児の運動器障害に関する研究

私は小児看護学が専門で、小児看護方法論、小児看護学実習などを担当しています。研究では、「子どもの運動器の健康」をテーマに、小学生や中学生の骨・関節の発育について継続的に調査を行っています。整形外科医や理学療法士、臨床検査技師、スポーツトレーナー、養護教諭と連携し、子どものスポーツ障害を予防するための取り組みについて検討しています。

ohtaka*hs.akita-u.ac.jp
准教授 佐々木 久長
  • 地域における自殺予防対策に関する介入的研究
  • 自殺行動の分析と予防に関する研究

私は、自殺率が高い秋田県で、地域づくり型自殺対策(community-based suicide prevention)の実践的研究を行っています。今は、住民がボランティアとして参加できることを考え、効果の検証を行っています。行政と連携して地域でボランティアが運営する居場所をつくり、悩みを傾聴して必要な支援につなぐモデルを広げています。

hisanaga*hs.akita-u.ac.jp
准教授 丹治 史也
  • 生活習慣・生活習慣と健康・パフォーマンス影響に関する研究
  • 就労者の健康・メンタルヘルスに関する研究

時代や社会状況とともにライフイベントの様相は変化し、人々のメンタルヘルスや健康・パフォーマンスはその影響を受けます。私は、多くのライフイベントを経験する就労世代の健康・メンタルヘルスに関する疫学研究に取り組んできました。現在は、男性更年期障害について調査を行い、当事者や周囲の方々が健康に生活するための支援について研究しています。

講師 永田 美奈加
  • 高齢者の虐待防止に関する研究
  • 高齢者の口腔の健康に関する研究

高齢者の権利擁護に関して、介護サービス事業所に勤務する看護職の虐待の認識や職業倫理、職場環境の視点から調査を行っています。また介護予防の観点から高齢者の口腔の健康に関する調査に取り組んでいます。慢性疾患をもつ患者のピアサポートやストレス対処能力についても関心を持っています。

minakan*hs.akita-u.ac.jp
講師 利 緑
  • 糖尿病患者への継続的支援に関する研究
  • エンド・オブ・ライフ・ケアに関する研究

私は、糖尿病などの慢性疾患とともに過ごす方や、人生の最後の時期にある方の看護をよりよくするためのケアに関する研究をしています。患者さんやご家族の心に寄り添ったケアの研究だけでなく、看護師から質の良いケアを受けるために看護師の実践能力や態度についても研究しています

midori*hs.akita-u.ac.jp
講師 工藤 直子
  • 産褥期の精神的ストレスに関する研究

私は、助産技術学、母性看護学実習、助産学実習を担当しています。研究では主に産後うつや産後のストレスと自律神経活動との関連、またそれらを改善するための支援について取り組んでいます。

naokoku*hs.akita-u.ac.jp
講師 赤川 祐子
  • がんと診断された親とその子どもに関する研究
  • 若い世代のがんに関する研究

若い世代でがんと診断された方、特に18歳未満の子どもをもつ患者の思い、その子どもたちに関わる調査をしています。そのため、多職種とも連携し、がんと診断された親やその子どもへの支援プログラム、相談等の関わりを大切にしています。若い世代でがんと診断されても安心して暮らせる体制の構築のために病院や学校、地域との連携を強化出来るように力を注いでいます。

abe0204*hs.akita-u.ac.jp
助教 髙階 淳子
  • がん患者の症状マネジメントに関する研究

私は、主にがんに罹患した患者の症状マネジメントに関するものを研究テーマにしています。LymphedemaやCancer related fatigueの緩和の方法について検討しています。早期診断・治療の進歩により長期生存が可能となってきているなか、看護も進歩させ、がん患者がより苦痛なく生活できるようにしたいと考えています。

jtakagai*hs.akita-u.ac.jp
助教 須田 智美
  • 災害医療に関する研究

私は、災害時の医療に関する研究をしています。
これまで、東日本大震災での避難所診療を中心とした病院外での医療支援をテーマに研究を行ってきました。現在は災害時や平時からの防災にも活用できる電子母子健康手帳をテーマに、研究に取り組んでいます。

stomomi*hs.akita-u.ac.jp
助教 齋藤 雅世
  • 小児がんの子どもと家族への支援に関する研究
  • 小児がん治療後の疲労感に関する研究

小児がん看護について研究を行っています。現在は、心と身体に優しい看護をめざして、小児がん治療後の疲労感に対するヨガの介入効果の検証をテーマに研究に取り組んでいます。

msaito*hs.akita-u.ac.jp

※メールアドレスを使用する場合は「*」を「@」に置き換えてください。
 例:abcd*hs.akita-u.ac.jp → abcd@hs.akita-u.ac.jp

米山奈奈子先生から

米山奈奈子先生 写真

臨床看護学分野では、精神保健看護に関する研究も行っています。私は、保健師活動の経験からアディクションやDV・虐待といった暴力の問題に焦点を当て、当事者や被害者の回復支援および当事者を支援する支援者のエンパワメントを目指した研究(フォレンジック看護という新しい看護領域)をすすめています。研究手法はテーマによって質的・量的分析方法を使い分けていますが、学生と教員のゼミナール形式でのディスカッションが、院生の研究をすすめる上での発想を豊かにしています。メンタルヘルスあるいは精神保健看護で研究を考えている方、あなたは私たちの仲間です。人々のより良い精神健康の実現に貢献できるように、ともに研究をすすめましょう。

がん看護CNSコースの紹介

CNSとは

Certified Nurse Specialistの略で、通常の看護では解決困難な問題をもつ個人・家族および集団に対して実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割をとおして質の高いケアを効率よく提供できる能力を身につけ、日本看護協会から認定された者を指します。

当該コースの概要

平成22年度より開設し、これまでに修了生9名を輩出しています。全員が認定審査を受験、合格し、現在は、県内外の病院施設の管理的役割やがん関連の部署、訪問看護ステーションなどで活躍しています。履修科目は共通科目として看護倫理学・看護管理学・看護学研究方法論・看護教育学・看護政策論・コンサルテーション論のほか、高度実践看護師に必須のフィジカルアセスメント・病態生理学・臨床薬理学、そしてがん看護CNSの分野専門科目として、がん病態生理学・がん看護理論・がん薬物療法看護、さらにがん看護援助論や緩和ケア、および多様な場におけるがん看護を学ぶための実習が5科目から成ります。がん看護課題研究を加え、修了のための履修単位は46単位で看護師の経験をもとに知識を深め、CNSの実際について見学・実習をとおして学び、自ら役割が発揮できるようになるプロセスは人間陶冶の時期ともいえます。専門的な知識・技術、豊かな人間性をもち、がん看護の質向上に寄与できることを目指します。

時間割(必修科目のみ掲載)

前期
14:30~16:00 16:10~17:40 18:20~19:50
7・8時限 9・10時限 11・12時限
緩和ケア特論 がん看護理論 看護政策論
フィジカルアセスメント
看護学研究方法論
看護倫理学
臨床薬理学
※日中、集中講義が入る場合もあります
後期
14:30~16:00 16:10~17:40 18:20~19:50
7・8時限 9・10時限 11・12時限
がん薬物療法看護
看護管理学
※日中、集中講義が入る場合もあります

実習(2年で修了の場合)

1年次

がん看護学実習Ⅰ:外来診療における実習

がん看護学実習Ⅱ:がん看護実践

2年次

がん看護学実習Ⅲ:がん看護専門看護師役割

がん看護学実習Ⅳ:病診連携

がん看護学実習Ⅴ:がん看護専門看護師役割 実践

担当教員紹介

担当教員紹介
写真左より 田中、安藤、煙山、赤川

安藤 秀明(コース責任者)

がん看護専門看護師は、施設によって活躍・役割が非常に多岐に及んでおります。本学では、がん看護専門看護師としての教育のみならず、自らの置かれた環境で、組織から何を求められており、自らがどう活躍したいのかも含めて共に考えながら人材育成を図ってゆきたいと思います。

煙山 晶子

平成25年からがん看護専門看護師コースの科目と実習を担当しています。今日のがん患者と家族の方々が抱える複雑かつ困難な問題には、多職種によるチームで取り組む必要があります。中でもがん看護専門看護師は欠かせない存在です。目立つことはなくともいてくれてよかった、いないと困る” スペシャリスト”です。日頃のケアの意味を考え、仲間に伝える、ケアの質を高めるナースを目指しませんか。全力で支援、応援します。

赤川 祐子

がん専門病院での看護経験の中で、子育て中のがん患者とその子どもたちと出会い、各々が抱く葛藤や困難、希望に触れました。現在は子育て中のがん患者とその子どもたちが少しでも安心して暮らせる社会を目指した研究と、サポートプログラムや相談窓口を通して看護実践を継続しております。

大学院では、がん患者とその家族が体験する複雑な症状や解決困難な問題に対して、科学的根拠を基盤とする高度な臨床判断に基づく看護を目指し、共に学ばせていただきます。また、皆様のキャリアプランや生活についても考慮し、相談の上で効果的な学習環境も整備してまいります。

田中 雄太

私は、看護師として救急外来やICUで臨床経験を積む中で、集中治療を受けながら様々な苦痛を抱えている患者やその家族に関わってきました。その経験から、がん患者に限らず、生命を脅かす疾患を抱えるすべての患者の全人的苦痛を捉え、緩和ケアを提供できる社会を目指し、研究を行っております。

大学院教育を通して、病院や地域で幅広く活躍できる高度実践看護師の育成を目指します。日々進歩していく医療と直面している課題について、共に考え、探究していきましょう。

H22~R2年までの研究について

  • 終末期がん患者の尊厳感覚
  • がん患者とのコミュニケーションにおける困難感
  • 外来がん化学療法患者の症状と生活への支障
  • 鎮静を受けたがん患者の遺族の鎮静に対する思い
  • がん患者に関わる看護師のスピリチュアルケアに関する経験
  • End-of-life discussion(終末期に関する話し合い)後の患者の思い
  • 造血幹細胞移植を受けた女性患者の妊孕性に関する意思決定の様相
  • 外来看護師ががん看護外来に支援を繋ぐ実際
  • 手術療法を受けた舌癌患者の形態的・機能的変化に対する思いの変化と影響要因に関する質的研究

お知らせ

NPコースの紹介

利 緑先生 写真

利 緑

NPとは

Nurse Practitionerの略で、一般社団法人日本NP教育大学院協議会が認めるNP教育課程を修了し、当該協議会が実施するNP資格認定試験に合格した高い専門性と実践力を有する看護師のことです。NPになると、保健師助産師看護師法が定める特定行為を実施することができます。

当該コースの概要

令和2年にNPコースを開設し、今回、修了生として3期生7名を送りだすことができました。4期生5名は、令和6年度修了を目指して、4月からのNP統合実習で学びを深めます。また、5期生9名も、仕事と学業を両立させながら大学院生としての生活が始まります。
NPコースでは、1年目に臨床病態生理学、フィジカルアセスメント、臨床薬理学等の共通科目の他、21区分すべての特定行為研修を受講し、2年目に半年間のNP統合実習に臨みます。NPは、患者の病態や生活の視点に立った的確なアセスメントを行い、患者・家族へ安心かつ安全に援助を提供できるシステム構築を目指します。
人々の健康および地域に広く貢献したいとお考えの方、ぜひ一緒に歩んでいきましょう!

文部科学省「職業実践力育成プログラム」(BP)の認定について

本コースは大学等における社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムとして、文部科学省が定める「職業実践力育成プログラム(Brush up Program for professional 通称BP)」の認定を受けました。

概要資料
申請書(様式1)
申請書(様式2)

※職業実践力育成プログラム(BP)認定制度について
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/bp/index.htm

※令和4年度「職業実践力育成プログラム」(BP)の認定について
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/bp/1411849_00005.htm

時間割

看護学領域(前期)
時間
(時限)
12:50~14:20
(5・6)
14:30~16:00
(7・8)
16:10~17:40
(9・10)
18:20~19:50
(11・12)夜間
20:00~21:30
(13・14)夜間
看護政策論 看護教育学
フィジカルアセスメント 病態生理学
看護学研究方法論 臨床推論
保健医療倫理学
臨床薬理学 疾病・臨床病態概論
医療安全学 特定行為実践
看護学領域(後期)
時間
(時限)
12:50~14:20
(5・6)
14:30~16:00
(7・8)
16:10~17:40
(9・10)
18:20~19:50
(11・12)夜間
20:00~21:30
(13・14)夜間
地域・在宅看護学特論I
クリティカルケア特論 NP特論
NP疾病特論 治療のためのNP特論
診断のためのNP実践 治療のためのNP実践 NP統合演習

シラバス

科目区分 授業科目名 履修
単位数
認定
単位数
保健学専攻共通
保健医療倫理学 2単位 2単位
看護管理学 2単位 2単位
フィジカルアセスメント(特定行為共通科目) 2単位 2単位
病態生理学(特定行為共通科目) 2単位 2単位
臨床薬理学(特定行為共通科目) 2単位 2単位
看護学領域
領域共通
看護学研究方法論 2単位 2単位
看護政策論 2単位 2単位
看護教育学 2単位 2単位
基礎・地域看護学 地域・在宅看護学特論I 1単位 1単位
専攻分野専門
クリティカルケア特論 2単位 2単位
臨床推論(特定行為共通科目) 2単位 2単位
疾病・臨末病態概論(特定行為共通科目) 2単位 2単位
医療安全学(特定行為共通科目) 2単位 2単位
特定行為実践(チーム医療)(特定行為共通科目) 2単位 2単位
NP特論 2単位 2単位
NP疾病特論 2単位 2単位
治療のためのNP特論 2単位 2単位
診断のためのNP実践演習 2単位 2単位
治療のためのNP実践演習 2単位 2単位
NP統合演習 2単位 2単位
NP統合実習 19単位 19単位
NP課題研究 4単位 4単位
合計 61単位 61単位

お知らせ


大学院修了

[2023/03/28]

修士論文の紹介

1.基礎・地域看護学分野

  • 工藤智美,長岡真希子:特別養護老人ホームで働く看護師による病院との連携行動の実際とその評価~看護師の背景および看護実践能力との関連に焦点を当てて~.老年看護学28(2):49-59,2024
  • 高山賢路,佐々木真紀子:一般病院における看護職のキャリア・プラトーの影響要因及びキャリア開発意識への影響.日本看護研究学会雑誌44(2):263-273,2021
  • 川村直子,佐々木真紀子:看護専門学校の新任期にある看護教員の主体的学習行動とその影響要因.日本看護学教育学会誌30(1):1-14,2020
  • 藤田智恵,中村順子:阿仁地域のA地区に根付く互助の文化~地域包括ケアシステムに活かす視点から~.文化看護学会誌3(1):11-18,2021
  • 佐々木聖子,佐々木真紀子:病院に勤務する看護師の組織的メンタルヘルス支援尺度の開発.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要28(2):9-19,2020
  • 林崎重之,中村順子:アルコール依存症者の断酒継続を支えているもの~生きる力と支えに焦点をあてて~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要28(2):1-8,2020
  • 豊島直美,長岡真希子:介護支援専門員から見た急性期病院における退院前カンファレンスの評価~介護支援専門員の背景・多職種連携要因・カンファレンスの構成要素と達成度との関連~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 27(2):105-116,2019
  • 武藤諒介,石井範子:看護師のバーンアウトと関係要因~中堅看護師の特徴を探る~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 26(1):47-59,2018
  • 須藤貴子,石井範子:副看護師長のワーク・エンゲイジメントに関する研究 自己効力感・看護実践環境との関係.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 25(2):129-139,2017
  • 成田富貴子,長谷部真木子:看護専門学校教員の職業継続意思と組織コミットメントに関する研究.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 25(1):37-52,2017
  • 杉山令子,長谷部真木子:外来がん化学療法における携帯型ディスポーザブル注入ポンプを使用する大腸がん患者のニードと関連要因.日本がん看護学会誌 29(1): 34-43,2015
  • 小松純子,佐々木真紀子:療養病床を有する医療施設の看護師が実践する退院支援スクリーニング.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 23(2):145-119,2015
  • 成田真理子,石井範子:看護師の看護実践状況と職務満足との関連~卒後2~3年目の特徴を探る~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 23(2):105-117,2015
  • 吉田真紀,長谷部真木子:看護師の業務上の危険因子に対するリスクイメージと影響要因.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 23(2):93-104,2015
  • 佐々木美和子,佐々木真紀子:遷延性意識障害の患者を看護し続ける看護師の経験.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 22(1):45-57,2014
  • 南部泰士,石井範子,柳屋道子:介護予防基本チェックリストにおけるうつ項目の検討.厚生の指標 61(5):23-30,2014
  • 佐藤美恵子,長谷部真木子:看護師,理学療法士,作業療法士のインフォームドコンセントの認識と実践の分析.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 21(1):65-75,2013
  • 木下彩子,石井範子:排便援助における温罨法の部位の検討-腰背部と腹部における比較-.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 21(2):87-96,2013
  • 三浦範子,石井範子:病棟看護師長の患者ラウンドのあり方に関する研究.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 20(1):43-58,2012
  • 石川ひとみ,石井範子:看護職の学習行動と組織・専門コミットメントとの関係性.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 20(1):31-41,2012
  • 猿田了子,佐々木真紀子:病院に勤務する助産師のキャリア開発に対するニードとその関連要因,秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要, 19(2):111-125,2011
  • 菊地由紀子,石井範子:訪問看護師による情報通信機器を使用した看護の実態と関連要因.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 19(2):1-10,2011

2.臨床看護学分野

  • Kumagai M, Shinohara H, Kodama H. Possible contribution of better maternal psychological well-being to the acquisition of sleeping through the night in infants during the early postpartum period. Infant Behavior and Development. 2023 Aug;72: Article number 101872. doi: 10.1016/j.infbeh.2023.101872
  • Taguchi K, Shinohara H, Kodama H. A longitudinal investigation of the influence of psychological factors on nausea and vomiting in early pregnancy. Arch Womens Ment Health. 2022 Oct;25(5):995-1004. doi: 10.1007/s00737-022-01262-4. Epub 2022 Aug 30. PMID: 36040628
  • Saito M,Hiramoto I,Yano M,Watanabe A,Kodama H.Influence of Self-Efficacy on Cancer-Related Fatigue and Health-Related Quality of Life in Young Survivors of Childhood Cancer. International Journal of Environmental Research and Public Health. 2022 Feb;19(3). doi.org/10.3390/ijerph19031467
  • 小野良子, 佐々木久長, 伊藤登茂子:身体抑制における臨床看護師の倫理的問題に対する態度とクリティカルシンキングの関連. 日本看護倫理学会誌12(1):67-72,2020
  • Yuko Akagawa, Sachiko Makabe, Tomoko Ito, Yutaka Kimura, Hideaki Andoh. Challenge and hope for parents who have cancer. International Journal of Science and Research Archive, 03(01), 136–147, 2021
  • 近藤桃子,篠原ひとみ:三陰交への灸刺激が女子大学生の月経随伴症状,体温および自律神経活動に及ぼす効果.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要28(2):21-29,2020
  • 安藤雪,平元泉,矢野道広,渡邊新:小児がん患者の退院後の口腔の健康状態と歯科保健行動の実態.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要28(1):9-19,2020
  • 近藤桃子,篠原ひとみ:女子大学生の冷え症と月経随伴症状および自律神経活動との関連.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要26(2):117-127,2018
  • 薄田悦子,平元泉:幼児期および学齢期における子どもの咬合力の発達に関連する要因.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要26(1):35-45,2018
  • 照井菜央子,平元泉:出生体重児の摂食における問題と支援に関する検討(その1)-保育園児を対象とした「気になる食べ方」調査-.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要25(2):1-9,2017
  • 照井菜央子,平元泉:出生体重児の摂食における問題と支援に関する検討(その2)-NICUを退院した低出生体重児の実態-.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要25(2):11-22,2017
  • 大高麻衣子,平元泉:小学校・中学校・高校のスポーツ活動が青年期の骨・関節の痛みや日常生活動作に与える影響~A県の大学生を対象とした質問紙調査から~. 秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 24(1):77-84,2016
  • 備前由紀子,佐々木久長:高齢者における希死念慮と二次元レジリエンス要因との関連. 秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 24(1):53-65,2016
  • 畠山朋子,佐々木久長,米山奈奈子:看護師の患者対応場面での怒り発生とその後の行動. 秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 24(1):41-51,2016
  • 瀬田川美香,佐藤滋,井上高光,齊藤満,羽渕友則,煙山晶子,浅沼義博:腎移植後患者のメタボリックシンドローム発症の実態に関する検討.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 24(1):31-39,2016
  • 大場禮子,米山奈奈子:地域で生活している精神障害者の居場所感と主観的Quality of Lifeとの関連.厚生の指標 61(12):20-27,2014 (第16回 川井記念賞 平成27年度受賞)
  • 佐々木久長,備前由紀子:大学生の希死念慮・自殺に対する許容度・理解度と二次元レジリエンス要因尺度得点の比較.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 22(2),129-136,2014
  • 播摩優子,佐々木久長:アルコール依存症に関するリテラシーとソーシャル・キャピタルの関連.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 22(2),147-156,2014
  • 播摩優子,佐々木久長:地域住民のソーシャル・キャピタルと精神的健康との関連.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 21(2),97-111,2013
  • 土方仁美,小中節子,佐藤滋,井上高光,羽渕友則,浅沼義博:心停止下臓器移植提供における臓器提供者家族のケアにかかわる看護師の困難とその軽減に向けた対応案.移植 48:141-150,2013
  • 永田美奈加,鈴木圭子:血液透析患者におけるピア・サポートの実態と関連要因.日本透析医会雑誌28(1):118-124,2013
  • 大高麻衣子,平元 泉,皆川洋至:A県内における学校運動器検診の実施状況と養護教諭の認識.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 21(1):47-54,2013
  • 三浦美穂子,浅沼義博:筋萎縮性側索硬化症療養者と介護者の苦悩と看護支援.秋田大学保健学専攻紀要 20(2):95-107,2012
  • 小原千明,佐々木久長:看護師が肢体不自由児に対する虐待の有無を判断する際に関連する要因.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 20(2), 109-122, 2012
  • 新山真奈美,鈴木圭子:脳血管障害による身体機能障害のある高齢者のライフスタイル再編成の過程.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 20(2):11-19,2012
  • 永田美奈加,鈴木圭子:血液透析患者におけるSense of Coherence(SOC).日本看護科学会誌32(3):96-99,2012
  • 眞壁幸子,伊藤登茂子:看護教育におけるクリティカルシンキング育成効果の検討―ペーパーペイシェントを用いたグループワーキングをとおして―.日本看護学教育学会誌 20(3):15-26,2011
  • 熊澤由美子,米山奈奈子:X県の地域断酒会活動の継続に向けたリーダーの思い.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 19(1), 67-76, 2011
  • 成田好美,兒玉英也,篠原ひとみ,吉田倫子:妊婦の唾液中の歯周病菌,その縦断的調査と臨床的意義.母性衛生 52(2):327-336,2011 (2012年日本母性衛生学会学術論文奨励賞受賞)
  • 永田美奈加,鈴木圭子:透析患者の意欲向上につながった看護師のサポート.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 18(1):55-63,2010
  • 渡邊香,篠原ひとみ:産褥一ヶ月時の母親の育児不安とSelf-Esteemとの関連.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 18(2):1-9,2010
  • Kudo N, Shinohara H, Kodama H.  Heart rate variability biofeedback intervention for reduction of psychological stress during the early postpartum period. Appl Psychophysiol Biofeedback. 2014 Dec;39(3-4):203-11. doi: 10.1007/s10484-014-9259-4.
  • Watanabe M, Shinohara H, Kodama H.  Impact of overnight oximetry findings on cardiac autonomic modulation in women during second trimester of uncomplicated pregnancy. J Obstet Gynaecol Res. 2015 May;41(5):689-96. doi: 10.1111/jog.12634. Epub 2014 Dec 29.
  • Yoshida M, Shinohara H, Sugiyama T, Kumagai M, Muto H, Kodama H. Taste of milk from inflamed breasts of breastfeeding mothers with mastitis evaluated using a taste sensor. Breastfeed Med. 2014 Mar;9(2):92-7. doi: 10.1089/bfm.2013.0084. Epub 2013 Dec 18.
  • Kodama M, Kume M, Miyazawa H, Satoh S, Yamamoto Y, Ito T, Asanuma Y: Pigmentary complication of the peristomal skin in colorectal cancer patients under systemic chemotherapy using S-1. Wound Ostomy Continence Nurs. 2011; 38 (3): 280-285.