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専攻長あいさつ
ご挨拶
専攻長 吉岡 政人
本学が位置する秋田県は、全国に先駆けて少子高齢化が進行している地域であり、人口減少や医療資源の偏在、地域コミュニティの変容といった、わが国全体が今後直面する課題を色濃く抱えています。これらの課題は、地域医療・保健の在り方に抜本的な変革を求めるものであり、私たちはその最前線に立って教育・研究に取り組んでいます。秋田県では、高齢化の進展に伴い、がんをはじめとする生活習慣病や慢性疾患を抱えながら生活する方が増加しています。また、全国的にも依然として高い水準にあるがん死亡率や自殺率の問題は、医療のみならず、保健、福祉、精神的支援を含めた総合的な対応の必要性を示しています。これらの課題は、医学的要因にとどまらず、生活環境、就労、社会的孤立、心の健康といった多様な要因が複雑に絡み合って生じているものです。
秋田大学医学部保健学科および大学院の保健学専攻では、こうした地域特性を教育・研究の基盤に据え、地域に根ざした保健医療専門職の育成を使命としています。看護学、理学療法学、作業療法学をはじめとする各専門分野において、科学的根拠に基づいた確かな知識と実践力を養うとともに、対象者一人ひとりの生活背景や価値観に寄り添い、「その人らしい人生」を支える視点を重視しています。地域医療の現場では、医療機関のみで完結する支援には限界があります。行政、介護、福祉、教育、地域住民との連携を通じて、「地域で暮らし続けること」を支える包括的なアプローチが不可欠です。本学では、学生が早期から地域に出向き、実際の医療・保健活動に参加することで、地域課題を自らの問題として捉え、解決に向けて主体的に考える力を養っています。さらに、がん患者やその家族への支援、自殺予防やメンタルヘルス対策など、命と心に深く関わる課題についても、多職種協働を基盤とした教育・研究を推進しています。高度な専門性と同時に、高い倫理観、責任感、そして人への思いやりを備えた保健医療専門職の育成が、私たちの目指す姿です。
秋田で学ぶことは、日本の未来社会を考えることでもあります。本学で培われる知識と経験は、地域に貢献する力であると同時に、全国、さらには世界へとつながる普遍的な価値を持つものです。私たちはこれからも、地域と共に歩み、誰もが安心して暮らせる社会の実現に貢献してまいります。今後とも、本学の教育・研究活動へのご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。









