2025年07月29日
看護学講座 丹治 史也 准教授 が著者となる学術論文が国際誌『Journal of Primary Care & Community Health』に掲載されました
論文タイトル
Association Between Andropause Symptoms and Suicidal Ideation in Japanese Men: A Rural Community-Based Study
著者名
Fumiya Tanji, Shohei Miyamoto
雑誌名
Journal of Primary Care & Community Health
研究概要
本研究は、秋田大学自殺予防総合研究センターの活動の一環として実施された住民調査の結果をまとめたものであり、また男性更年期障害の影響要因や支援について研究するJ-MARSプロジェクトの一環で行われたものです。
近年、男性更年期障害が注目されるようになってきましたが、女性の更年期障害と類似した多様な症状を呈します。しかし、男性ホルモン特有の役割などもあることから、一概に女性の更年期障害と同一視することはできません。男性の更年期障害は男性ホルモンであるテストステロンが加齢やストレスによって減少することに起因して生じますが、テストステロンが減少し強い精神症状が出現することで自殺関連問題に発展するのではないかと言われていました。
本研究では、男性更年期症状の評価に用いられる男性更年期障害質問票(AMS)スコアを使用し、症状が「なし~中等度」と「重度」の者に分けて、過去1か月以内の自殺念慮との関連を検証しました。その結果、症状が「なし~中等度」の者と比較して、「重度」の者では有意に自殺念慮を抱く者が多いことが明らかとなりました。これは、身体症状、精神症状、性機能症状で分けて分析しても同様の結果でした。自殺予防対策を実施する上で、自殺念慮から対策をすることが重要となります。今後、中年期以降の男性の自殺予防対策を行う上で、更年期障害を考慮することも必要となる可能性を示唆しています。
秋田大学自殺予防総合研究センター、およびJ-MARSプロジェクトでは、今後も男性が健康でいきいきと生活していける社会を目指して参ります。
論文
URL:https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/21501319251353591
J-MARSプロジェクト
URL:https://sites.google.com/view/j-mars-study/
