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配偶子バンクの安全性向上への基礎的な検討

近年、治療法の進歩によって悪性腫瘍、特に血液悪性疾患の救命率が躍進向上し、治療後のquality of life(QOL)を向上させる戦略の体系化が求められている。また、生殖医療の分野では患者性腺あるいは配偶子を一時的に人体外で保存することが可能となった。凍結保存した性腺/配偶子を治療後に融解し使用する方法が確立できれば、化学療法などの治療によって妊孕性を喪失する可能性のある悪性腫瘍患者に、挙児のチャンスが生まれる。この技術への需要は今後増大すると想定され、既に本邦でも未婚若年女性の血液悪性疾患患者に対する配偶子の融解後移植や凍結/融解卵巣組織の治療後自己移植が報告されている。ここ、東北でも適応となる症例は少なからず存在し、「みちのく配偶子バンク(仮称)」のような組織が設立されれば若年担癌患者本人と家族の大きな支えになる可能性が大きい。しかし、この自己細胞移植のリスクについてはいまだ十分な検証されておらず、移植する配偶子/卵巣は悪性腫瘍治療中の患者組織であるり、移植後悪性腫瘍が再発する可能性は完全には否定されていない。この命題が解決されない限り、いわゆる坦がん患者に対する”配偶子バンク”は話題のみ先行し、具体的なスタートが困難な机上の空論で終わってしまう。ヒト白血病発症モデルNOGマウスを用いて,この問題に対する答えと明らかにしたい。

獲得研究資金

  • 文部科学省科学研究費補助金 基盤研究B 平成21年―24年 総交付金額:1451万円
    課題名:卵子バンクの安全性向上にむけたヒト白血病発症NOGマウスでの腫瘍細胞の挙動の検討
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