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精子中心体の形成と機能的成熟
精子は球形の精子細胞から精子成熟とよばれる過程を経て、成熟精子の特徴的な形態になる。我々はヒトおよびサルの精子成熟過程における微小管の形成を明らかにした。精子成熟のSb期に微小管およびその形成を司る機能的中心体タンパクは種々発現し、その時点で激しい細胞骨格の形成が惹起され、大きな細胞の形態変化が生ずることが明らかになった（図24）。また、Sb期に微小管により形成されるマンシェットと呼ばれる細胞骨格構造にはdyneinなどの微小管モータータンパクが観察され、激しい物質の移動が生じていることが考えられた。未だ臨床応用は尚早であるが、動物モデルなどで、未成熟な精子細胞を用いた顕微授精により産仔が得られている。しかし、その効率は成熟精子のそれと比較して、極めて低い。我々はウサギ未成熟、成熟精子を用いた顕微授精システムより、未成熟精細胞の精子中心体機能を評価した。円形精子細胞では顕微授精後卵子活性化がいくつかの卵で認められたが、精子星状体の形成が観察された卵子は認められなかった。未成熟精子の顕微授精の低成功率の一因として、それらの細胞の中心体機能の未熟さが想定された（図25）。
文献（総論）
- Tachibana M, Terada Y, Murakawa H, Murakami T, Yaegashi N,Okamura K. Sequential Changes in The Cytoskeletal Dynamics of Microtubules and Microfilaments: Morphological analysis in human spermiogenesis. Fertile Steril 2005 84:1241-8.
- Hayasaka S, Terada Y, Suzuki K, Murakawa H, Tachibana I, Sankai T, Murakami T, Yaegashi N, Okamura K. Intramanchette transport during primate spermiogenesis: expression of dynein, myosin Va, MyRIP, and Rab27b in the manchette during human and monkey spermiogenesis. Asian J Androl. 2008 10:561-8.
- Tachibana M, Terada Y, Ogonuki N, Ugajin T, Ogura A, Murakami T, Yaegashi N, Okamura K. Functional assessment of centrosomes of spermatozoa and spermatids microinjected into rabbit oocytes. Mol Reprod Dev. 2009 76:270-277
スライドサムネイル
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