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ご挨拶

秋田大学大学院医学系研究科整形外科学講座教授 宮腰尚久

秋田大学大学院医学系研究科
整形外科学講座
教授 宮腰尚久

私は、2021年10月1日付で、秋田大学整形外科学講座の5代目教授を拝命しました宮腰尚久(みやこしなおひさ)と申します。

私は、秋田市生まれで秋田市育ち、そして秋田大学の出身者です。秋田大学医学部を卒業後、すぐに母校の整形外科に入局しました。入局以降のこれまでの30年間は、秋田県内の整形外科医療に尽くすとともに、秋田から世界に向けてさまざまな研究成果を発信してきました。これからも、秋田に根ざした臨床と研究を発展させるために精進しますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、整形外科学は、「運動器」の機能と形態の維持・再建をめざすための臨床医学であり、脊椎、上肢、下肢などの広範な診療領域を扱う学問です。この「運動器」とは、筋肉・骨・関節・靱帯・腱・神経など、身体を支えたり動かしたりする器官の総称ですが、われわれの身体のなかで、自分の意志で動かすことができる唯一の組織・臓器でもあります。

整形外科で扱う疾患は、運動器を構成する筋肉・骨・関節・靱帯・腱・神経などすべての病気や外傷です。そして、その対象となるのは、新生児から、小児、学童、成人、高齢者までの全年齢層です。このように、整形外科の守備範囲は非常に広いため、われわれ整形外科医は、これらの守備範囲全般に対する知識を常に持っておく必要がありますが、最先端の医療を提供するためには、それぞれの医師がさらに専門分野を決めて、その分野では誰にも負けない臨床力と研究力を維持しておく必要があります。そのために、秋田大学整形外科では、関連病院の医師とともに10の臨床研究グループ(末尾参照)をつくり、日々、臨床と研究に励んでいます。

このような専門性を携えたメンバーによって、秋田大学整形外科と関連病院で行われている年間の手術件数は、毎年、1万件から1万2千件にも及びます。これは、秋田県民の約85人にひとりが整形外科手術を受けている数値に相当します。

高齢化率が全国一位である秋田県では、加齢に伴って増加する変形性膝関節症や腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症による骨折、そして、背中や腰が曲がる脊柱変形などに対する診療の需要が多くなっています。このような秋田県の動向は、高齢化が進む将来の日本や世界の動向を予測することにも繋がりますので、われわれ秋田大学整形外科が担う役割は対外的にも非常に重要です。

その一方で、スポーツ王国である秋田では、将来のトップアスリートの健康も守らなければなりません。そのためには、小児や学童の運動器疾患にもしっかりと対処していかなければなりませんが、われわれはこの方面にも力を入れています。

秋田県において、すべての整形外科領域の臨床をさらに発展させ、世界に向けて研究成果を発信し続けるには、多くの若い医師の力が必要です。秋田大学整形外科では、地域医療に貢献しつつ、世界に羽ばたく意欲も旺盛な専攻医を大募集しております。

秋田大学整形外科の臨床研究グループ

  1. Akita Spine Group (ASG):脊椎脊髄
  2. Akita Bone and Osteoporosis Network (A-BONE):骨代謝・骨粗鬆症
  3. Akita Orthopedic Group on Rheumatoid Arthritis (AORA):関節リウマチ
  4. Akita Hand Group (AHG):手外科
  5. Akita Hip Research Group (AHRG):股関節
  6. Akita Ilizarov Method Group (AIMG):イリザロフ創外固定法
  7. Akita Foot Group (AFG):足の外科
  8. Akita Motion Analysis Group (AMAG):動作解析
  9. Akita Sports Arthroscopy Knee Group (ASAKG):スポーツ・関節鏡・膝
  10. Akita Flap and Tissue Transplantation Group (AFTTG):皮弁組織移植