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がん薬物療法の更なる進歩を期して

おわりに

がんの薬物療法にとって闘うべき相手の正体も十分わからないまま、「最大耐用量」を投与するといったRecklessな時代は終わり、いまや挑むべき相手や標的は絞り込まれた。がんの薬物療法は確実に新しい時代を迎えている。そして、今求められるのは、この新しい治療の担い手である。

世界に類を見ないスピードで高齢化が加速する我が国においては、様々な局面における「がん対策」が急務となる。そして、その中核的な施策として「標準的ながん薬物療法の均てん化」という人的、物的、制度的な医療環境の整備が必要である。私はこのような流れに沿った秋田大学臨床腫瘍学講座設立の趣旨に応えるべく努力したい。

しかし、進歩したとはいえ、現在のいかなる薬剤をもってしても進行固形がんは治癒には至らない。大学人としては研究の成果による現状の打開を図りたいところである。

抗がん剤の致命的な有害事象に、がん薬物療法の未来を疑い、毒性の強い治療に辟易とした頃に夢見た“毒性の無い治療薬を開発したい”という思いは今も色褪せない。がん薬物療法の魔法のBulletを求めて彷徨したい。

そして究極のがん薬物療法は「予防」である。がんの予防薬の開発は治療薬の開発よりも越えるべきハードルが遥かに高い。抗悪性腫瘍薬では、やむなく許容された有害事象も、化学発がん予防薬においては微塵も許されないだろう。化学発がん予防のヒントをつかむことができれば、これに勝ることはないだろう。精進したい。

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