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看護学講座 赤川祐子講師が「優秀演題賞」を受賞しました。

令和7年7月4日~5日、第30回日本緩和医療学会学術大会において、看護学講座の赤川祐子講師が「がん患者を親にもつ思春期の子どもを支えるTeen CLIMB🄬プログラム日本版の開発:当事者と支援者へのフォーカスグループインタビューによる適用可能性の検討」を発表し、優秀演題賞を受賞しました。

がんの親をもつ18歳未満の子どもは、約8万7千人と推計されており、約4割が思春期の子どもたちです。思春期は自我形成のされる重要な時期であり、親のがんにより心理社会的な影響を受ける場合があります。心身の発達を守る支援が課題となる一方、teenagerへの支援は未開拓のため、支援の質や方法は支援者の知識や経験に左右されている状況です。
米国では、2020年にアートや音楽のアクティビティを含む心理社会的サポートグループのTeen CLIMB🄬プログラムが開発されました。本研究では日本版Teen CLIMB🄬の開発を目的とし、適用可能性を検討しました。

2024年7月に支援者21名、同年11月には当事者11名を対象にプログラムの実施とフォーカスグループインタビューをしました。プログラムのメリットについて、支援者は【気持ちを語れる場である】【レジリエンスを高められる】等、当事者は【見失いがちな自分自身にフォーカスし、新たな自分を発見できる】【がんの話だけでなく、手や体を動かして楽しめたことで日常を感じられたこと】等を挙げました。改善点について、支援者は日本では自分の強みを考えることが苦手であろう懸念を挙げ、当事者はプログラム中に皆の注目を浴びることへの羞恥心を挙げた者もいました。

本研究により、プログラムについて支援者は思春期特有の心情への理解を深めることを評価し、当事者は感情に向き合い日常を取り戻せる場として受け止めており、心理社会的な支えとしてプログラムの適用可能性は十分と考えられました。今後はプログラム実践の効果検証などの定量的な研究をすすめていきます。

看護学講座 赤川祐子講師が「優秀演題賞」を受賞しました。