関連施設の紹介

1 関連施設
2 出張施設
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- 2あきたレディースクリニック安田
- 3秋田赤十字病院
- 4秋田県立リハビリテーション・精神医療センター
- 5能代厚生医療センター
- 6JCHO秋田病院
- 7北秋田市民病院
- 8秋田労災病院
- 9市立大森病院
- 10市立横手病院
- 11町立羽後病院
- 12藤原記念病院
- 13秋田県立医療療育センター
秋田大学医学部附属病院 麻酔科

教室のあゆみ
秋田大学大学院医学系研究科 麻酔・蘇生・疼痛管理学講座は、1971年に秋田大学医学部が開学した2年後の1973年に開講されました。初代教授には渡部 美種 先生が着任され、小児の麻酔管理や人工呼吸管理に注力されました。1980年に鈴樹 正大 第二代教授に引き継がれ、県内の周術期医療の充実に寄与されました。その後1996年に西川 俊昭 第三代教授が着任、研究面でのさらなる発展を遂げました。2020年からは新山 幸俊 教授が着任され、現在に至っています。
診療
【手術麻酔】
秋田大学医学部附属病院には11の手術室が設置されており、年間手術数 約6,000件のうち、約3,800件を麻酔科が管理しています。先進医療を担う大学病院である一方、地域の急性期病院という立ち位置でもあり、緊急手術が多いのが特徴です。特に心臓血管外科の開心術においては秋田県に2施設しか受け入れ可能な病院がない厳しい現状があり、ほとんどの心臓・大血管の緊急手術は当院に搬送されます。また、秋田県は高齢化率が日本一高く、高齢患者の麻酔管理も日常的で、当教室員は高齢者麻酔に習熟しています。耐術能に余力のない場合も多く、慎重に日々の麻酔管理を行なっています。また、Patient Flow Managementを導入し、入院前から患者さんの情報を把握し、入院から退院後まで円滑に進むように着手しています。2022年度から術後疼痛管理チームを発足させ、周術期管理により一層力を入れています。
【集中治療】
当院では、主に術後患者を対象とした外科系ICUが6床、救急患者を対象とした救急系ICUが8床設置されています。すべての術後管理に関与できているわけではありませんが、集中治療医として麻酔科医を集中治療部に派遣し、周術期管理に着手しています。今後、集中治療分野の研修の充実を目指しています。
【ペインクリニック】
慢性疼痛を中心に薬物療法・神経ブロック療法などを用いて治療を行なっています。トリガーポイント注射や筋膜リリース注射などの注射療法やストレッチ・運動指導なども積極的に取り入れ、幅広く治療しています。
【無痛分娩】
2022年度に麻酔科・産科合同で無痛分娩チームを立ち上げました。以前は産科医のみで日常診療の合間を縫って無痛分娩を担当していたため、限られた日にしか施行できませんでしたが、麻酔科医が介入し、産科医と協力することでより柔軟に、そして安全に無痛分娩を行うことができるようになりました。
教育
毎朝当日の症例カンファレンスを行い、麻酔計画の立案と当日の管理方法などを検討しています。週3回抄読会を実施しており、日々の疑問の解消や知識の底上げとして有意義な時間となっています。また、週2回、重度の合併症を持つ麻酔患者の術前相談を引き受けており、若手医師を中心に麻酔方法を検討し、カンファレンスで上級医に報告・相談して方針を決定しています。これらは知識の共有にもなる上、すべての麻酔科医が自身の担当症例を安全に麻酔するための一助になっています。そのほか毎年専攻医向けセミナーを実施しており、専攻医の希望を踏まえた上で分野別の講義を行なっています。また、小児麻酔のシミュレーション教育の一つであるSAFE・MEPAにも力を入れています。特にMEPAは東北地方で初めて当院手術室で開催し、多数の受講生の方々を迎えることできました。それ以外の分野でもシミュレーション教育を有効に活用しています。
研究
秋田県は高齢者が多く、「骨格筋量と術前環境因子への介入による術後神経認知機能障害の予防法」などの研究を行い、周術期認知機能障害の解明に積極的に携わっています。臨床研究では「泌尿器科ロボット手術後の急性腎障害」などの研究を実施しています。秋田県の麻酔科医数は十分ではなく、臨床麻酔に重点を置かざるを得ない状況であり、十分な研究時間を確保することは難しい現状があります。今後さらに人員・設備を充実させ、集中して研究できる環境を整えていく方針です。
教室行事
COVID-19感染症によって各種歓送迎会などが開催できない期間がありましたが、医局説明会で研修医や学生に麻酔科の魅力を伝えることができています。歓送迎会などがあれば積極的に参加する人が多く、いつも盛大な宴会となっています。
今後の展望
当教室は、高齢者の麻酔や研究に特化しているだけでなく、積極的にシミュレーションを活用して教育の充実にも重点を置いています。無痛分娩分野では担当麻酔科医も増えており、今後専攻医も研修できるようなシステムを構築できるように検討しています。ここ数年は教室員が着実に増加しており、様々な分野において麻酔科医が活躍する場面が増えています。子育て中の医師も多数いますが、教室全体でサポートする体制が整っているため、自分の環境にあった働き方ができるのも当教室の魅力です。教室員全員が働きやすく、日々向上していけるような教室を目指しています。
秋田厚生医療センター 麻酔科


秋田厚生医療センターは、秋田市北部、天王、男鹿(診療圏約人口18万人)をカバーする479床の病院です。藤原記念病院、湖東厚生病院、男鹿みなと市民病院の緊急手術患者はほとんど当院に搬送され、緊急症例数は大学病院に次いで県内2位であり沢山経験を積むことが可能です。定期手術も年間約2000件で大学病院を除けば県内1~2位となっています。心臓血管外科、難易度の高い小児外科は大学病院に紹介していますが、それ以外は各種手術を満遍なく学ぶことができます。特徴として当院は脊椎脊髄センターがあり、多椎間脊椎固定の手術が豊富で、特にXLIFは使用する薬剤も制限され、高齢有合併症患者も多く麻酔科の腕の見せ所となっています。

麻酔科は他科より一期一会の精神が必要です。当院は接遇向上委員会があり私(岩崎)もそのメンバーとして教育、講義を行っています。努力が実り【一般社団法人 看護&介護ひとづくり協会 日総研接遇大賞】を受賞しました。当院で腕だけでなく精神も磨いていただけたら幸いです。
秋田県立循環器・脳脊髄センター

当院は、秋田県の県民病である脳卒中撲滅のために1968年に作られた脳卒中専門病院です。脳卒中急性期から回復期まで一貫した治療を行い、研究施設も併設されています。秋田県の病院では、大学以外で科研費が取れる唯一の施設です。2019年に新棟完成を機に、脳卒中のみならず、充実した循環器疾患と脊髄脊椎疾患の治療が行える病院として、脳血管研究センターから現在の名称に変更されました。職員の学会参加は、国内外を問わず補助が受けられますし、麻酔技術維持向上のため、外勤も可能です。

現在、当院手術室では脳神経外科手術と脊髄脊椎外科手術を行なっています。他施設ではほとんど見ることがない特殊な手術もあり、患者が県内全域から紹介されてきます。県外からの症例も多く、これらの手術麻酔を研修するには最適な病院です。
中通総合病院

「一症例にじっくり取り組み、かつ自己研鑽の時間も確保できる研修体制」
当院の研修医や専攻医は、常勤4名の指導医と共に1日1~2症例程度を担当します。高齢者の大腿骨骨折手術、腹腔鏡手術、小児の眼科手術などが多く経験できます。
当院の麻酔科の特色として以下の3点が挙げられます。
- エコーが多数配備されており、腕神経叢ブロックや腹横筋膜面ブロックなどの基本的なブロックから、腰神経叢ブロック、傍脊椎ブロックなどの比較的難易度の高いブロックまで幅広く経験できます。
- 心臓血管外科症例が週に1~3例程度あり、弁置換術や冠動脈バイパス術などの開心術やステントグラフト内挿術などの血管内手術の麻酔が経験できます。
- 症例数によっては時間に余裕がある日もあります。麻酔科専門医試験やJB-POT、J-RACEなど、資格認定のための勉強時間に充てることが可能です。
当院の研修は、「理論(知ること)」と「実践(行うこと)」の両立を提供いたします。
市立秋田総合病院 麻酔科

市立秋田総合病院は2022年10月に新築され、医師一同が新たなる環境で仕事を始めています。 他の施設と同様に、硬膜外麻酔、神経ブロックを適宜併用し、術後痛を軽減させるよう努めています。 手術室7部屋の麻酔記録は電子化され、シリンジポンプは無線LANで麻酔記録と連携されています。 低侵襲手術支援ロボットが導入され、既に外科、泌尿器科、産婦人科がロボット手術を開始しています。 ペインクリニックも開設し、外来と入院患者の急性疼痛、慢性疼痛の治療(薬物、神経ブロック)を行っています。 ただし特殊な神経ブロックは行っていません。またICU当直を行い、救急外来での蘇生にも関与し、手術室のみならず、周辺領域の診療にも参加しています。 さらに当院では麻酔科出身医師が緩和医療を担当しています。 また秋田大学麻酔科から定期的に医師派遣を受け、交流を図っています。 したがって当院で研修することにより、臨床麻酔の全般を基礎から学ぶことができます。
大曲厚生医療センター

「花火のまち大曲」から
大曲は古くから夏の全国花火競技大会で知られています。今では夏の協議会を柱に、春は国際色豊かな花火、秋は劇場型花火、冬は若手花火師の新作花火と、季節ごとに趣向を凝らした「四季の花火」を楽しむ事ができます。

大曲厚生医療センターは大曲・仙北地域の中核病院です。現在、麻酔指導医2名、麻酔専門医1名、麻酔専攻医2名の計5名体制で麻酔科診療を行っています。
麻酔科管理手術は年間2000件を超え、関連病院としては最も豊富な症例数となっています。心臓麻酔はありませんが、小児麻酔、帝王切開術、胸部外科・脳神経外科手術麻酔の麻酔専門医としての必要経験数を1年で満たすことが可能です(図は呼吸器外科手術の様子)。2022年から術後疼痛管理(APS)チームが稼働しました。硬膜外PCA、静脈PCA、神経ブロックを活用しながら術後疼痛管理に力を入れています。
またペインクリニック、緩和ケア、救急医療など麻酔科の活躍するフィールドが広がるにつれて、益々麻酔科医の必要性が増加しています。
当院は緩和ケア病棟を備え、年間4000人を超える癌性疼痛患者の入院診療を行っており、緩和ケア研修が可能な環境にあります。また地域のペインクリニック専門医院ではペインクリニック研修も受け入れていただいています。
2012年から救急医学会認定「おばこICLSコース」(心肺蘇生講習会)を定期的に開催し、多くの方が受講されています。
大曲厚生医療センター 2023.5

JA秋田おばこキャラクター「おばこ娘」によるJA公認「おばこICLS」
由利組合総合病院麻酔科

症例の幅の広さとハイリスク患者の多さ
当院の麻酔科は、症例が豊富にあり(年間麻酔科管理症例数 約1500件)、ハイリスク患者が多いこと(80歳以上症例22%、ASA PS3以上のハイリスク患者23%)が特徴です。
移植医療、心臓手術の麻酔を除き、ほとんどの外科手術の麻酔を経験することができます。日々の麻酔を経験豊かな指導医のもとで研修することで、様々な病態、重症度の患者の麻酔管理が行えるようになります。
「この指導なら必ず成長できる」と思える環境
3人の麻酔指導医の愛のある厳しい指導で多くの経験をつめます。ハイリスク症例が多いから、「恐い思い」を多く経験しますが、その思いが真の麻酔科医を育てます。
オフは完全フリー
術前・術中・術後と患者管理を行うので、仕事は忙しいですが、休みは呼び出されることはなく、完全にフリーです。海・川・山が近い由利本荘の自然を満喫できます。
当院の麻酔科は、症例が豊富にあり(年間麻酔科管理症例数 約1500件)、ハイリスク患者が多いこと(80歳以上症例22%、ASA PS3以上のハイリスク患者23%)が特徴です。
移植医療、心臓手術の麻酔を除き、ほとんどの外科手術の麻酔を経験することができます。日々の麻酔を経験豊かな指導医のもとで研修することで、様々な病態、重症度の患者の麻酔管理が行えるようになります。
3人の麻酔指導医の愛のある厳しい指導で多くの経験をつめます。ハイリスク症例が多いから、「恐い思い」を多く経験しますが、その思いが真の麻酔科医を育てます。
オフは完全フリー
術前・術中・術後と患者管理を行うので、仕事は忙しいですが、休みは呼び出されることはなく、完全にフリーです。海・川・山が近い由利本荘の自然を満喫できます。
術前・術中・術後と患者管理を行うので、仕事は忙しいですが、休みは呼び出されることはなく、完全にフリーです。海・川・山が近い由利本荘の自然を満喫できます。
本荘第一病院 麻酔科

当院は142床の急性期病院で、日本麻酔科学会麻酔科認定病院・臨床研修指定病院、救急告示病院です。
現在、常勤医師1名、非常勤医師1名と随時、秋田大学麻酔科からの応援の体制で、年間約300~350症例前後の麻酔科管理手術があります。(外科2/3,整形外科1/3,時折婦人科。)
麻酔内容は、全身麻酔(殆どが神経ブロック又は硬膜外麻酔併用)が9割程度・脊髄くも膜下麻酔・神経ブロック+鎮静等の特殊な麻酔が1割程度です。
外科は、当院が腹腔鏡下胆摘術を日本でいち早く取り入れた実績があり、腹腔鏡手術が多く、開腹術や乳房切除術も随時あります。
整形外科はTHA,TKA等の人工関節置換・外傷性骨折の手術が多いです。
婦人科は主に子宮・卵巣摘出術です。当院の特徴として準緊急手術が多く、循環器科等のコンサルトによりASAPS3-4レベルのハイリスク症例が見つかることが多いです。
麻酔のモットーとして、術後疼痛が少ない麻酔となるよう心がけており、週1回手術室看護師と麻酔科医との翌週症例の合同カンファレンスで検討し、術後疼痛管理チームの随時介入と、持続硬膜外麻酔の他、最近増加している硬膜外チューブが留置不可能な場合はIVPCAや神経ブロック等で、積極的に除痛を行っています。
神経ブロックはエコー下で外科はTAPA,側方TAP,腸骨鼠径神経,PECsブロックが多く、整形外科は腕神経叢ブロック(主に腋窩法)・大腿・外側大腿皮神経・PENG・腸骨筋膜下・坐骨神経(膝窩・傍仙骨)・脊柱起立筋膜面ブロック等を行っており、これらの研修が可能です。
他、救急救命士の気管内挿管実習なども行っております。
外来は、毎週水曜日午後にペインクリニック外来を行っており、帯状疱疹後神経痛、慢性疼痛などで、神経ブロック・硬膜外麻酔の他・電気的治療を行っており、見学等可能です。他、救急外来当直・救急診療や希望者には人間ドックの健診業務等もあります。
手術麻酔のみならず、プライマリケア等の麻酔周辺領域をブラッシュアップも可能ですので、是非当院での後期研修をお待ちしております。
雄勝中央病院

雄勝中央病院は秋田県の湯沢市にあります。平成17年に街中から郊外に移転して現在病床数217床です。(今年度末に191床になる予定です。)
麻酔科指導医1名、歯科麻酔科認定医1名で、昨年度の麻酔科管理症例数は605件。うち歯科麻酔科症例数が170件です。歯科麻酔科、口腔外科は岩手医科歯科大学からで、歯科麻酔科は口腔外科症例の麻酔以外に局所麻酔での歯科治療が困難な方の日帰り全身麻酔下の歯科治療を行なっています。
残りの435件が医科の麻酔症例でした。ここ数年で泌尿器科、耳鼻咽喉科の常勤の先生が不在となったため、泌尿器科や耳鼻咽喉科の全麻の手術がほぼなくなりました。
手術症例は主に外科、整形外科、時々産婦人科、たまに脳神経外科みたいな感じです。小児症例は整形外科の骨折などでたまにあります。ここでなければできないという研修はありません。
病院の規模が小さいので、手術室マネジメントの練習にはちょうど良いかもしれません。
平鹿総合病院 麻酔科

秋田県横手市にある平鹿総合病院、麻酔科の清水佳甫と申します。
当院は約400床の病院で秋田県県南の中核病院として地域医療を支えています。総手術件数は年間約2500件で全身麻酔件数は約1500件です。
当院は2020年まで麻酔科常勤医がおらず、2021年から麻酔科常勤医が1名存在しています。そのため、緊急手術などは自家麻酔を依頼していることも多く、2022年は約200件の全身麻酔を自家麻酔で行っています。

麻酔科専門医認定に必要な症例として、分離肺換気、開頭手術、6歳未満、帝王切開術を行っています。またその他にも90歳以上の超高齢者、外傷、腹膜炎などの全身状態の悪い症例など幅広く麻酔管理を行っています。
2023年10月から常勤2名体制となりますが、当院での麻酔科医の需要は依然高くとても有意義な麻酔科研修を行うことができると考えています。
冬は少し寒く、雪も多少降る地域ですが、ぜひ見学しに来てください。