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2025年11月06日(木)
器官・総合生理学講座 医学科および博士課程の学生複数名が、東北生理談話会第57回大会 学生口頭発表「学生優秀賞」・「学生奨励賞」を受賞しました。
東北生理談話会第57回大会(日本生理学会東北地区大会)において、本学の学生が複数名、「学生優秀賞」・「学生奨励賞」を受賞しました。各学生は、研究について口頭で発表を行い、研究内容、プレゼンテーション、質疑応答の内容が評価され、受賞にいたりました。
【学生優秀賞】
青山碧透さん
タイトル:「ヒスタミンによるU937細胞の形態変化と細胞運動に対する小青竜湯の効果」
ヒスタミン受容体からカルシウムチャネルの活性を介して、細胞遊走/炎症性物質の放出が惹起されることを示唆しました。また、今回の研究成果は、鼻炎などのアレルギーで活性化する新たな活性化機構を見出したのみならず、この活性を制御することでアレルギー反応の緩和できる治療薬開発の標的としても期待できます。
【学生奨励賞】
・ 𠮷崎翠さん
タイトル「生薬『人参』のエンドセリン-1誘導心筋障害に対する保護機序」
これまで経験的に用いられてきた漢方愛の機成生薬の中から、効果を持つ化合物を絞っていくことで、創薬のシーズに結びつくことが期待されます。
・ 阿部史葉さん
タイトル「病的心肥大・心不全への漢方薬『六君子湯』の影響と作用機序」
これまで経験的に用いられてきた漠方顔に科学的で客観的な証拠を示すことは、より多くの治療・予防に寄与するものとして期待されます。さらに今回の研究成果から、心肥大の抑制効果を示す六君子湯は、心不全薬のシーズとして治療薬開発に期待できます。今後、標的分子を見つけることで分子機能解析結果を基とした創薬の開発が期待されます。
・佐々木玲央さん
タイトル「温清飲の乾燥肌改善に関わる細胞 メカニズムの解析」
これまで経験的に用いられてきた「温清飲」に対して、細胞生理学的な根拠を提示した本研究は、漢方薬の作用を科学的に解明する重要な成果です。今後、温清飲に含まれるCa・シグナル活性化成分の同定や皮膚疾患の治療応用への展開が期待されます。
・ 高山遼さん
タイトル「IBS-Dに対する5-HT関連シグナルの関与と半夏瀉心湯の効果」
半夏瀉心湯がセロトニン受容体を標的として作用することで、ストレス性の下痢の緩和に効果を及ぼす可能性を示唆しました。また、今回の研究成果は、経験的に効果の認められる漢方薬の作用機序の解明に貢献するのみならず、新たなセロトニン受容体を標的とした治療薬開発の期待ができます。


