秋田県は高齢化率全国第一位の超高齢県ですが、回復期リハビリテーション病棟数は全国的に見ても非常に少なく、高齢骨粗鬆症骨折患者の退院マネージメントには長年苦労してきました。AIMGでは早期荷重、早期自宅復帰を目指し、積極的にIlizarov創外固定を使用しています。
高齢者の脛骨天蓋骨折は老人性皮膚萎縮のため軟部組織関連の合併症が多く、さらに関節内骨折のため早期荷重が困難です。AIMGではIlizarov創外固定によるロングロッドを用いた閉鎖的整復+外傷性関節症の進行抑制を目的としたDistraction arthroplastyを併用するMATILDA法(Multidirectional Ankle Traction using Ilizarov external fixator with Long rod and Distraction Arthroplasty of Pilon fracture)により良好な成績を修めています。
Ilizarov創外固定を可及的早期にはずすことができるように、AIMGではA-BONEと協同し、粉砕骨折に対する超音波骨癒合促進器と骨粗鬆症治療薬テリパラチドを併用するCELTAB法 (Combined Effect of Low-intensity pulsed ultrasound and Teriparatide in Acceleration of Bone healing)を早期骨癒合目的に行い、従来より大幅に抜釘時期を短縮しています。
これまで、Ilizarov創外固定は開放骨折や偽関節など長管骨に対して有効とされてきました。足部は皮下組織が極端に菲薄であり、大胆な骨切りによる矯正保持をスクリュー・ステープルのみで行うと免荷期間が長くなるため、AIMGでは積極的にIlizarov創外固定を用いて治療しています。
Adviser宮腰尚久(秋田大学)、大関 覚
Director野坂光司(秋田大学)
Vice-Director千田秀一(平鹿総合病院)