足関節、足部の疾患について治療を行っているグループです。
県内各病院の「足」を専門とするドクターが集まり、グループ内での手術症例の登録や最新知識の共有をし、より良い治療を提供できるように努めています。また、同門グループであるAORA、AIMGとも連携し、足部・足関節治療を行なっています。足首、足の痛みでお困りでしたらご相談ください。
関節リウマチの治療には薬物療法による疾患活動性のコントロールが必須です。疾患活動性コントロールが不良の場合、関節破壊が進行し関節の変形が生じます。関節破壊予防には薬物治療が有効ですが、既に生じてしまった関節破壊・変形に対する効果は限定的です。一旦、関節が変形してしまうと、その後薬物治療で疾患活動性がコントロールされても、関節の変形による痛み、ADL障害が残ることがあります。
リウマチによる足部病変は次の3つの部位に大別できます。
リウマチ足部病変の部位
リウマチ足病変では、靴が履けない、足趾・足底の皮膚障害、変形による痛みなどが問題となります。これらの病変は、ADL低下や疼痛回避による廃用・筋力低下の要因となるだけでなく、「外観上の問題で温泉旅行がためらわれる」といった潜在的なQOL障害にも影響します。
薬物治療で疾患活動性が良好にコントロールされているにもかかわらず、装具・リハビリテーションなどの保存治療で症状が改善しない場合は、手術治療が必要となります。多関節に障害を有する方では、身体機能の長期維持を目的として、変形・痛みが軽微であっても手術を考慮します。
手術療法はそれぞれの部位・変形の程度に応じて、関節温存を目的とした骨切り手術、除痛・変形矯正のための関節固定術、人工関節置換術などが選択されます。
変形性足関節症は、加齢やケガ、炎症など、いろいろな原因により足首の関節の軟骨がすり減った状態です。軟骨が消失し骨と骨が直接こすれあうようになり、痛みや機能障害が増大していきます。
放置していると、通常加齢とともに、軟骨の摩耗が進行し、変形が進行し、痛みと関節の動きも悪化します。
治療は、程度が軽度なら消炎鎮痛剤、関節内注射、装具、リハビリなどの保存治療が有効です。
しかし、変形の強い変形性足関節症では、長期にわたり、痛みを確実に取り除くために、手術療法が必要となります。手術療法は関節固定術や関節温存手術、人工関節などがあります。我々は、リング型創外固定を使用した骨切り術による関節温存手術を積極的に行っています。末期の変形性関節症の方に対して関節固定術においても、関節鏡を用いた方法を行うことで侵襲を小さくする方法を行っています。また患者さんの状態に応じて、人工関節手術も行っています。
スポーツや段差を踏みはずした際に足を内側にひねって受傷します。スポーツ外傷の中では最も頻度の高いケガです。
足関節外側靭帯は、足関節の外くるぶしの下についている3つの靭帯からなり、前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯があります。
最も損傷頻度が高いのが前距腓靭帯です。次いで踵腓靭帯で後距腓靭帯を損傷することは稀です。
足関節外側靭帯損傷は損傷の程度によって3段階に分けられます。
損傷の程度
1度:靭帯線維の小損傷
2度:靭帯の部分損傷
3度:靭帯の完全断裂
2度、3度では、外くるぶしに腫れが生じ、痛みのためにまともに歩くことができません。 受傷早期に適切な治療をおこなえば、保存的治療で良好に治癒し、スポーツ復帰も可能です。しかし放置したり、治療がうまくいかない場合には、足関節に痛みや不安定性が残り、しょっちゅう捻挫を繰り返すことになります。関節軟骨の損傷も進行し、将来的に変形性足関節症になります。
治療については主にギプスや装具による保存療法です。適切な治療が行われれば多くは治癒しますが、不安定性や痛みが残った場合は靭帯修復・再建術が必要になります。われわれはこの手術にも関節鏡を使用し手術を行っています。
母趾が外側の方に曲がってくる変形です。これによって足指の付け根の関節が飛び出し、しばしば靴にあたり強い痛みをだします。 また、足裏にタコができて、これも痛みの原因となります。
原因として最も大きな要因は、足に合わない靴をはき続けることです。
治療の方法としてあった靴を履くことや運動療法などの保存療法があります。しかし残念ながら、一度曲がった足指が自然にまっすぐに戻ることはありません。徐々に進行します。
我々はレントゲンでの重症度に応じて、手術療法を行っています。手術は中足骨という骨を骨切りして足の形を整える方法です。骨切り部分はスクリューやプレートといった金属で固定します。術後早期から装具を使って歩くことが可能な手術になります。外反母趾でお困りでしたらご相談ください。
Adviser宮腰尚久(秋田大学)、倉秀 治(羊ヶ丘病院)、野坂光司(秋田大学)
Director千田秀一(平鹿総合病院)
Vice-Director青沼 宏(角館総合病院)