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2026年07月24日(金)

定量病理学講座の金高 圭佑 医学科5年生が筆頭著者となる学術論文が国際誌「Pathobiology」に掲載されました

論文タイトル

A Proof-of-Concept Study of Digital Spatial Distance Analysis in Ovarian Mature and Immature Teratomas

著者名

Keisuke Kanetaka, Kei Koyama, Tomonori Tsuruhashi, Hikaru Tsukita, Takahiro Ishinari, Ayana Takahashi, Ken Miyabe, Makoto Yoshida, Yukitsugu Kudo-Asabe, Hiroshi Nanjo, Kenichi Makino, Tae Sugawara, Takeo Hirakawa, Enami Kaneko, Masato Waga, Yukihiro Terada, Akiteru Goto

掲載誌

Pathobiology

研究等概要

本論文は、多様な組織成分から構成される卵巣成熟奇形腫および未熟奇形腫を対象として、各組織成分の空間的配置を定量化するデジタル病理学的手法を開発した概念実証研究である。成熟奇形腫4例、未熟奇形腫3例のHE染色標本をvirtual slide化し、病理医が気管支上皮、気管支腺、軟骨、骨、表皮、毛包、未熟神経組織などを識別・注釈した上で、各組織成分の重心を画像解析で算出し、組織成分間の距離を解析した。その結果、気管支上皮と気管支腺、表皮と毛包など、正常組織において解剖学的に関連する組織成分が腫瘍内でも近接する傾向を定量的に捉えることができた。一方、未熟成分と成熟成分との間には一貫した近接関係は認められなかった。

本研究は従来、主に細胞間距離や腫瘍細胞と免疫細胞との位置関係に用いられてきた空間解析を、奇形腫に混在する「組織成分」間の関係へ応用した。高度な多重染色や空間トランスクリプトーム解析を必要とせず、日常診断で用いられるHE染色標本のみを基盤としているため、病理組織学的に解釈しやすく、他病変への応用可能性も高い。新たなデジタル病理学的枠組みを提示した研究である。

本研究は、秋田大学医学部5年生の金高圭佑さんが主体となって遂行した研究成果であり、金高さんが本論文の筆頭著者を務めている。金高さんは医学部2年生の時から定量病理学講座に継続的に通い、病理診断の基礎的なトレーニングと研究活動に取り組んできた。その後、スチューデント・アシスタントとして同講座に採用され、学業と両立しながら研究活動を発展させており、本研究はその成果の一つである。

本研究では、研究課題の着想と研究計画の立案に参画するとともに、解析手法の構築、画像解析、データの整理・統計解析、結果の解釈および考察に至るまで、金高さんが中心的な役割を担った。特に、病理組織像から多様な組織成分を識別し、その空間的関係を定量化するという、病理学と情報科学を融合した研究手法を自ら習得・実践した点は特筆に値する。医学部学生の段階で、方法論の開発から論文執筆まで一連の研究過程を主体的に完遂し、国際学術誌への研究論文としてまとめたことは、秋田大学における早期研究者育成およびスチューデント・アシスタント制度の成果を示す優れた実績である。

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