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2025年05月20日(火)
衛生学・公衆衛生学講座 野村 恭子 教授、岩倉 正浩 助教が著者となる学術論文が国際誌『npj Digital Medicine』に掲載されました
論文タイトル
An Umbrella Review of Efficacy of Digital Health Interventions for Workers(労働者におけるデジタルヘルス介入の効果:アンブレラレビューによる検討)
著者名
Masahiro Iwakura, Chihiro Ozeki, Songee Jung, Teiichiro Yamazaki, Takako Miki, Michiko Nohara, Kyoko Nomura
掲載誌
npj Digital Medicine
研究等概要
秋田大学(学長:南谷佳弘)大学院医学系研究科衛生学・公衆衛生学講座 野村 恭子 教授、岩倉 正浩 助教らのAMED研究班は、働く人々を対象としたデジタル技術を用いた介入(以下、デジタルヘルス介入)の身体活動、座位行動、体重関連の指標(以下、体重)に対する効果を明らかにしました。
働く人々を対象としたデジタルヘルス介入は、生活習慣の改善、慢性疾患の予防や企業の健康経営の観点から注目されていますが、その効果に関するエビデンスは不足していました。そこで、本研究班では、労働者を対象にデジタルヘルス介入の効果を検証した系統的レビューの系統的レビュー(以下、アンブレラレビュー)を行い、デジタルヘルス介入が身体活動や座位行動、体重の維持・改善に効果的かを調べました。
結果、効果の大きさは小さいながらも、デジタルヘルス介入が介入をしない場合と比べて身体活動(指標によりばらつきあり)や座位行動、体重の維持・改善に有効である可能性が明らかになりました。また、デジタル技術を用いない介入(リーフレットの配布、運動教室、対面のカウンセリングなど)の効果と統計学的な有意差がないことが分かりました。
これらのことから、デジタルヘルス介入は働く人々の身体活動や座位行動、体重の維持・改善に小さいながらも効果があるため、その他の介入方法も含めて労働者の健康増進の一つの手段として検討できると考えられます。
この成果は、「npj Digital Medicine」誌に4月14日に掲載されています。
参考URL
特設HPの公開:https://wwh.sanei.or.jp/index.html