秋田大学大学院医学系研究科 器官・統合生理学講座 沼田研究室

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研究内容


全身に発現するイオンチャネルの生理・病態生理における役割の解明

 電気生理学を中心とした機能解析を基軸に分子生物学、生化学、結晶構造学、イメージングの手法に加えて、計算科学や化学工学を融合することで、個別の技術を用いるよりもイオンチャネルの動作原理への深い理解を目指しております。
 からだの中のイオンチャネルの機能は、細胞容積調節機構における解析を基盤に進めることで細胞死への理解を広げています。さらに、イオンチャネルを標的とした阻害剤や遺伝子改変動物を用いることで敗血症、てんかんなどにおける生理/病態生理的意義を多階層(分子、細胞、組織、個体)で包括的な解明を行っています。


薬の作用機序、作用機構の解明

 既存薬に含まれる化合物や漢方薬などの天然物質がイオンチャネルへ与える影響を追求しています。
 たとえば、抗癌剤シスプラチンの薬剤耐性、オキサリプラチンなどの副作用で見られる冷刺激過敏症、アセトアミノフェンの副作用でみられる肝障害は、イオンチャネルの発現変化、酸化還元や水酸化反応による修飾が原因となります。
 経験的に見つけられた漢方薬などの天然物質や既存薬の副作用の作用機構の解明を行い、科学的な裏付けを与えることで安全な薬としての使用のみならず適応拡大の可能性を示したいと考えています。


新たな治療法、創薬開発

 医学、工学、薬学との融合的研究から、光誘導性化合物を用いることで、光刺激を介したイオンチャネル活性制御による膜興奮や神経発火を起こす生体応答制御技術の開発を行っています。
 光強度によるハイスループット機能測定技術による創薬の探索、光刺激による金粒子の温度上昇を介した細胞興奮技術などの開発を医学、歯学、化学、薬学、工学など幅広い分野の研究者と共同研究してまいりました。
 これまで培った機能応用技術や機能制御技術とともに学際的研究の経験を活かして、今後のさらなる治療法技術開発へと研究の可能性を広げていきたいと考えています。


研究シーズ
・バイオセンサーの開発(こちらに説明があります
・漢方薬・食品成分の作用メカニズム(こちらに説明があります