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骨軟部腫瘍

1.癌腫の骨転移に対するアクリジンオレンジを用いた治療

がんの骨転移はADLを大きく低下させるため、進行を予防するために骨吸収抑制剤を一般に用いますが、完全に進行を抑えることは難しいです。アクリジンオレンジは弱塩基性の蛍光色素であり、酸性物質に親和性をもつ特徴を有しています。アクリジンオレンジを取り込んだ細胞に放射線などを加えると、細胞をアポトーシスに導きます。この機序を利用して、アクリジンオレンジを使用することで、がんの骨転移病変を縮小させることを検討しています。

アクリジンオレンジ(AO)

これまで使用されてきた骨吸収抑制剤との相互作用も検討しつつ、様々な種類のがんへの効果も検討しております。

2. 肉腫による骨代謝への影響

がんを有する患者さんにおいては、腫瘍による全身状態の悪化に加え、栄養不良による骨代謝の悪化が懸念されます。また、抗癌剤もそのようながん患者さんで使用されますが、抗癌剤自体の骨代謝への影響も懸念されます。骨代謝の異常は骨折のリスクを高めるため、早期の骨代謝予防が重要となりますが、肉腫や抗癌剤による骨代謝への影響に関してはほとんど調べられておらず未だ不明な点が多いのが現状です。 骨代謝分野研究の歴史が長い当医局の技術を用いて、肉腫の存在や抗癌剤による骨代謝の詳細な解析を行い、適切な治療介入の必要性や治療薬の選択ができるように検討しております。

アクリジンオレンジ(AO)

肉腫モデルマウスにドキソルビシンを使用した長管骨骨髄

スタッフ

  • 永澤博幸(Hiroyuki Nagasawa)
  • 土江博幸(Hiroyuki Tsuchie)