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骨軟部腫瘍

1.軟部肉腫に対する音響感受性物質による治療

超音波の照射をうけることで励起され、抗腫瘍作用を発揮する物質が「音響感受性物質」と呼ばれています。正常組織に障害を生じない程度の超音波で腫瘍を治療するためには、この音響感受性物質を、中でも腫瘍細胞に集積しやすい物質を併用することが必要です。我々は生体色素のひとつであるアクリジンオレンジ(下図)に着目し、音響感受性物質としての有用性について検討を続けています。

アクリジンオレンジ(AO)
アクリジンオレンジ(AO)

強拡大、細胞内のアクリジンオレンジが緑色蛍光を発している

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アクリジンオレンジ(AO)

弱拡大


アクリジンオレンジ(AO)

アクリジン+超音波

アクリジンオレンジ(AO)

超音波だけを当てた後の腫瘍細胞

アクリジンオレンジは以下のように非常に腫瘍細胞に取り込まれやすい性質を有する事が確認されています。このアクリジンオレンジの存在下で弱い超音波を腫瘍細胞に当てると腫瘍細胞が左図の様に変化します。これからの研究の進展が期待できます。

2.収束超音波による軟部腫瘍の治療

アクリジンオレンジ(AO)

写真2:収束超音波を照射した肉片の断面像。肉片内の線状の白色の部が収束超音波を照射した部である

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アクリジンオレンジ(AO)

写真1:収束超音波のシュリーレン像。線状の範囲に収束している状態を示す


 
アクリジンオレンジ(AO)

写真3:Transducer & probe

超音波による腫瘍の治療は50年以上の長い歴史を持ちながら、いまだに広く実用化されていません。その一つが超音波を腫瘍に収束させ治療しようという収束超音波治療です。現在、超音波を収束させる技術と、超音波画像をはじめとするモニターの性能が進歩し、正確な範囲に強力な収束超音波を照射できる時代となりました。

写真1は我々の装置のシュリーレン像で、本装置では限局性に組織を熱凝固させることが可能です。しかし現在まで収束超音波による治療の対象は良性腫瘍が中心で、悪性腫瘍に対する有用性はまだ未知数であり、基礎的検討が必要な状況です。そこで我々は超音波画像をモニターとした収束超音波による軟部肉腫の治療実験を行っています(写真2)。

実験には我々と日立中央研究所で共同開発した装置を使用しています(写真3)。

スタッフ

  • 永澤博幸(Hiroyuki Nagasawa)
  • 土江博幸(Hiroyuki Tsuchie)

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