初期臨床研修は、長い医者人生の中でわずか2年間の短い研修期間ですが、非常に重要な期間だと僕は思っています。心臓血管外科における初期研修は、周術期管理を通して「重症患者の全身管理」の方法を学ぶことを主目標にしています。どこの科に進んでも、担当している患者さんが呼吸・循環が重篤化することがあると思います。
そんなとき、心臓血管外科で初期研修を通して学んだ経験と知識が役に立つ、そう考え、プログラムを考えました。心臓血管外科は忙しい職場であることは間違いありません。また、緊急症例や重症度が高い患者さんを診ることが多く、精神的にきついこともあると思います。しかしながら、それを乗り越えることで得られるものは大きいと考えています。
ぜひ、僕たちと一緒に走り抜けるような初期研修をしませんか?
当科では将来心臓血管外科医を目指す学生・研修医はもちろん、そうでない学生・研修医に対しても初期研修プログラムを用意しています。
秋田県内において、初期臨床研修はもちろん後期研修においてもICUにおける全身管理を多数の症例を通じて学べる施設・科はとても少ないのが現状です。当科では心臓血管外科手術の術後管理を通して(それ以外の患者さんもいますが)、全身管理を学んでいきます。
わずか1か月の研修でも、急性大動脈解離など救急における心臓大血管関係の重症患者の初期対応 はもちろん、ショック患者に対する治療、カテコラミンを初めとする循環作動薬、人工呼吸器、CHDF(持続的血液濾過透析)、鎮静・鎮痛、中心静脈カテーテル・胸腔ドレーン挿入など、これらをすべて、実際の症例を通して学ぶことができます。
(1)手術・ICU/病棟管理コース
将来心臓血管外科医・循環器内科医を目指す研修医にお勧めです。心臓血管外科医として必要な知識・技能取得を目指します。
(2) ICU/病棟管理コース
手術よりも、全身管理を学びたい研修医にお勧めです。術前・術後の診療を通して集中治療に関 する知識・技能取得を目指します。SSCG(敗血症治療ガイドライン)など、心臓血管外科と直接関係のない、将来役立つ知識も含みます。
(3)外科専門医取得目標コース
将来一般外科専門医を目指す研修医にお勧めです。優先的に手術に参加することで、短期間(約2 ヶ月)で認定取得に必要な症例数(心臓・大血管 10例、末梢血管10例)を経験することができます。
一般目標
日常診療で頻繁に経験する心臓血管外科的疾患対する診断及び術前、術中、術後管理を通し、将来必要となる基本的な臨床能力(ICUフォーマットを用いた診察・カルテ記載・プレゼンテーションなど)を身に付ける。
習得できる知識・技能:
(1)心臓血管外科周術期患者管理を通して、集中治療室における全身管理ができる。
Student doctor(CC1/CC2)から一貫して、ICUフォーマットを中心とした全身管理を学んでいく。学生時は呼吸・循環を中心に学んだが、それ以外の臓器別項目、心臓血管外科特有の問題点などにも着目し、実際に管理を行ってもらう。
(2)プレゼンテーション能力を養う
日々の症例提示、手術症例のプレゼンテーションを繰り返し行うことで、医師として必須能力である、プレゼンテーション能力を養う。
(3)外科手技(希望者)
大腿動脈の露出、皮膚縫合ができるようになることを目標とする。
研修方法