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ご挨拶

新年のご挨拶

現人類は親族や近隣者とコミュニティを作り、その集団が大きかったので助け合うことで多種あったヒト属のなかで生き残った種であるという説があります。ヒトが休みをとり、親族や近隣者との結び付きを確認しあいながら新しい節目を寿ぐ元旦の団らんの時間に、強い地震が北陸をおそいました。被災された皆さまに衷心よりお見舞い申し上げるとともに、今後の安寧を祈念いたします。

本年早々に2名の大学院卒業(予定)のおふたりが精魂込めて取り組んできた研究成果で学位審査にチャレンジします。また、4月東京で開催される第74回日本産科婦人科学会シンポジウムでは白澤弘光講師がシンポジストとして発表をします。平成、令和時代の当教室としては河村和弘先生(現、順天堂大学教授)以来2人目のシンポジストです。白澤講師は令和5年度の日本産科婦人科学会学術奨励賞を受賞がきまり、同学会で受賞記念講演も致します。東北地方の産婦人科医師としては4人目の受賞です。

私は着任15年目になり、昨年より日本卵子学会、そして本年4月より日本生殖内分泌学会理事長を拝命しております。また、本年10月26日、27日には秋田市内で第29回日本生殖内分泌学会を開催します。大学院生の研究内容も年毎に高度になり本年はそのいくつかをbig journalで発信できるかと期待しています。

人口減少が著しい当地ですが、ヒトの命の営みに欠かせない産婦人科医療はその維持のための変化を伴った発展を続けなければなりません。当地の産婦人科医療すべての要となる教室の維持と発展を皆で助け合いながら、レジリエンス高めつつ進めてまいります。


本年もよろしくお願いいたします。

令和6年1月4日
秋田大学大学院医学系研究科医学専攻
機能展開医学系産婦人科学講座 教授 寺田幸弘

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教室の特徴

手術風景

県内で唯一の大学附属病院の産婦人科であることが最大の特徴であります。患者さんに高度先進医療はもちろんのこと最先端の医療を提供できるように努力することが義務づけられている、と思っております。

県内の大きな病院の産婦人科医は、ほとんどが私ども教室の出身者であります。従って、産婦人科医療に関しましては、秋田大学附属病院産婦人科と患者さんがお住まいの近くの病院の産婦人科医師とは密接に連携をとりあっております。

具体的には、手術前の検査は近くの病院で、手術は大学で、術後のフォローアップは元の病院で行うことが可能になります。患者さんの都合によっては、われわれが大学病院から近くの病院に出向いて手術や検査を行っております。

産婦人科診療の特徴

産婦人科は、女性の一生涯の身体的のみならず精神的な健康に関わっております。

胎児期、新生児期、学童期、思春期、性成熟期、更年期、老年期のそれぞれの時期に特有の疾患があります。それら女性の疾患の診断から治療・フォローアップまで一貫して行うことができます。

婦人科は、手術をしますので外科的側面を、産科は妊娠中に色いろな合併症が出現しますので内科的側面を持っております。従って、産婦人科は、婦人科外科と産科内科の2つの科から成り立っているといえます。

少子高齢社会かつ人口減少時代に突入したわが国において、生命の誕生に直接関わる産婦人科医が担うべき役割はますます大きくなると思われます。

患者さんとの接し方

患者さんとの接し方

患者さんの不安・痛み・苦しみを分ち合えるコ・メディカル(看護師・助産師)と医師とのチームで診療しております。個人や組織としての能力の向上やミスの根絶に努力しております。

傾聴(とにかく患者さんの訴え・話を聴く)、共感(患者さんの言っていることに理解と同情を示す)、受容(一緒に努力して病気を克服するよう求める)を患者さんと接する基本姿勢としております。患者さんだけではなく家族の言葉にも誠実に耳を傾けております。

大学附属病院産婦人科の特殊性

1人でも多くの立派な産婦人科医師を増やし、育成するために、学生に患者さん(症例)を見させないわけにはゆきません。

その際は、必ず患者さんからの同意をいただいてから、指導教官と一緒に診察しております。

研究に対する姿勢

研究に対する姿勢

多くの大学附属病院においても産婦人科の医師が不足しております。患者さんを診るのが精一杯で、研究にまで手が回らないところが多いなかで、私どもの教室では細やかではありますが、研究を続けることができております。毎年、少ない数ではありますが、レベルの高い国際雑誌に論文を発表しております。

研究のための研究、そして論文のための研究であっては何の価値もありません。患者さん、そして病気のための研究を心がけております。

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