総合グループは神経グループ、 腎臓グループ、 内分泌グループ、 代謝・消化器グループの4つのグループから構成される診療グループです。 それぞれのスペシャリストを中心に広範な疾患領域について診療をおこなっていますが、 成人の内科で言うところの総合診療をおこなっている訳ではありません。
以下に各グループについての紹介をさせていただきます。
(講師 矢野珠巨 記)
すべての小児神経疾患に対応できるように努力しています。出会った患者ひとりひとりについて深く考え学んでいく、臨床に根ざした診療を行なってきました。今後もその姿勢を守り、より質の高い医療を目指して努力を続けていきます。
新規入院症例についてはグループカンファランスで検討し、疾患の知識の再確認とともに最新の情報を得るようにしています。
研修中の医師に対しては、小児の神経学的診察法、小児脳波判読の基礎、画像読影の基礎が身に付くよう指導しています。
メンバー全員が小児神経専門医・てんかん専門医を取得することを目標に勉強会を開いています。
「てんかん発病防止プロジェクト」の共同研究チームに所属しており、全国規模で家族性全般てんかんの発症予防に関する研究を行っています。遺伝子解析で確定診断した症例を対象に、発症前の適切な時期に早期治療を開始することによりてんかん発症を予防または軽減できることが期待されています。
「小児の傾眠性疾患における髄液オレキシン値の臨床診断への応用」をテーマに当院精神科と共同研究として行っています。傾眠もしくは意識障害を呈する症例の髄液オレキシン値測定し、疾患特異性の有無、小児と成人のデータ比較を行い検討しています。 文部科学省課題解決型高度医療人材養成プログラム「重症児の在宅支援を担う医師等養成」に、鳥取大学、大阪市立大学、山形大学と連携し拠点施設の一つとして活動しています。重症児在宅医療の問題点に取り組み、地域連携システム構築、コーディネーター育成、在宅医療関係者の教育等、中規模都市の全国モデルとなることを目標としています。
(助教 田村啓成 記)
主な診療疾患としては以下の通りです。
急性/慢性腎炎 (急性糸球体腎炎、 紫斑病性腎炎、 IgA腎症、 膜性増殖性糸球体腎炎、 ループス腎炎)、 特発性ネフローゼ症候群、 急性/慢性腎不全、 先天性尿路奇形 (膀胱尿管逆流症、 先天性水腎症)、 排尿異常、 夜尿症。
腎炎、 ネフローゼ症候群に対する薬物療法。 2014年からは難治性ネフローゼ症候群へのリツキシマブ療法を導入しています。 各病態に応じた血液浄化療法、 慢性腎不全に対する腹膜透析管理、 夜尿症に対する薬物およびアラーム療法などを行っています。 また先天性尿路奇形や排尿異常の診断のため各種検査を行っています。
IgA腎症および紫斑病腎炎患者さんの尿中酸性スフィンゴミエリナーゼを測定することでスフィンゴミエリン/セラミド・サイクルとの関連を検証しています。
原因不明の蛋白尿についてDent病の責任遺伝子であるCLCN5およびOCRL1遺伝子解析を行っています。
また引き続き学校検尿からの腎疾患検出効果の検証を行っています。
(講師 高橋郁子 記)
代表的な疾患は下記の通りです。
下垂体機能低下症、成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群、先天性副腎過形成症、先天性甲状腺機能低下症、バセドウ病、1型糖尿病、2型糖尿病、家族性糖尿病、思春期早発症、思春期遅発症、骨代謝疾患, 性分化疾患、肥満症、先天性高インスリン血症、腎性尿崩症など。
希少疾患が多い分野のため、全国の多施設共同研究を中心に、より良い治療法や診断法を臨床へ提供できるよう取り組んでいます。小児インスリン治療研究会での1型糖尿病の研究、ターナー症候群の診断や合併症に関する研究、先天性甲状腺機能低下症への治療や診断に関する研究などをおこなっています。分子遺伝学的診断も積極的に進め、遺伝に関連する情報提供もできるよう努めています。
(助教 野口篤子 記)
ここ1年の主な診療疾患として以下のようなものがあります。
糖原病、フルクトース1.6BP欠損症、OTC欠損症、フェニルケトン尿症、BH4反応性高Phe血症、ホモシスチン尿症I、III、リジン尿性蛋白不耐症、ミトコンドリア病、ピルビン酸脱水素酵素異常症、プロピオン酸血症、3メチルグルタコン酸尿症、全身型カルニチン欠損症、シトリン欠損症、Lowe症候群、銅代謝異常症、ニーマンピック病、ハンター症候群、VLCAD欠損症、MCAD欠損症、潰瘍性大腸炎、クローン病、蛋白漏出性胃腸症、食物アレルギー、新生児乳児食物蛋白誘発性胃腸症、周期性嘔吐症、先天性Cl下痢症、ウイルス肝炎、NASH、胆道閉鎖、胆道拡張症、門脈大循環短絡、アラジール症候群、原発性硬化性胆管炎。
診断のための肝生検、エコー、消化管造影など適宜施行しています。