形態解析学・器官構造学

組織紹介

医学専攻 病態制御医学系:形態解析学・器官構造学講座 の概要

構成員の紹介

教授 板東 良雄 Yoshio Bando
准教授 鈴木 良地 Ryouji SUZUKI
助教 周 明 Ming Zhou
助教 明石 英雄 Hideo AKASHI
技術専門職員 金津 嘉徳 Yoshinori Kanatsu

教育と研究の概要

主な担当授業

講義・実習:人体解剖学入門(1年)、骨学講義・実習(1年)人体解剖学講義・実習(2年)、神経解剖学講義・実習(2年)、基礎医学アドバンスコース(2年)研究配属(3年)

授業の目標

正常な人体の構造をただ単に3次元的に学ぶだけでなく、人体を構成する各種臓器がどのように有機的につながっているのかを生理学や生化学といった他の基礎医学分野の知識を導入しながら統合的に理解することを目標としています。また、篤志家の医学教育への深い理解を忘れず、人の生や死について考えを深め、医師として社会に貢献する使命感を養います。

学部生に対する研究指導の概要

大学医学部は医師・医学研究者の養成はもちろんのこと、最先端の研究・開発を行い、医学の発展に貢献する責務があります。また、医学部を卒業した者は医師あるいは医学研究者として積極的に医学の発展に貢献することが望まれ、先人のたゆまない努力によって確立された医学をさらに発展させて次世代につないでいかなくてはなりません。そのためにはリサーチマインドを持った医師(physician scientist)の育成はもはや国際基準となっています。これまで医師として数年勤務した後に大学院に入学し研究を開始するというのが一般的でしたが、大学院で研究を行うための基本的な技術や考え方を学部生の頃に学んでおくことは極めて重要であると考えられます。そのため、当講座に配属された学生には基礎研究の進め方を教室員の指導の下で学ぶことができるよう、リサーチマインドを持った臨床医や医学研究者の育成に努めています。また、長期休暇や放課後を利用して研究に参加したいという学生も歓迎しますので、気軽に参加することも可能です。ただし、やる気と継続が必要になりますので、教室員ともよく相談して下さい。

大学院教育の概要

医学研究を行うためには基本的な実験技術を習得し、得られた結果を客観的かつ多角的に考察し研究を推進することのできる能力が必要です。そのために出来るだけ早い段階から自分の力で研究の立案から実験を遂行し、その成果を論文としてまとめられる技術を身につけてもらえるよう、きめ細やかな研究指導を行います。また、当講座では主に形態学的手法を中心とした研究を行っていますが、必要に応じて細胞生物学や分子生物学などの様々な分野の実験技術を導入したり、学内外の研究施設との共同研究に積極的に参画することによって目的を達成できるように研究のサポートを行います。

医学専攻 病態制御医学系:形態解析学・器官構造学講座の概要

研究プロジェクト

  1. 多発性硬化症発症機構の解析と治療法の開発(他施設との共同研究のテーマもある)
  2. 脱髄および軸索変性を伴う神経変性の基礎研究
  3. 再髄鞘化および神経再生に関する基礎研究
  4. iPS細胞を用いた再髄鞘化療法の開発(他施設との共同研究)
  5. 脳血管障害および認知症における神経細胞死とその制御法の開発
  6. 諸臓器における血管障害と虚血性細胞死の分子機構の解明
  7. 脂質シグナリング関連タンパク質のパイエル板における局在と発現調節機構の解析
  8. ATP感受性K+チャネルの発現局在と調節機構の解析

当講座は平成30年4月1日に板東が着任して新しいスタートを切りました。研究生、大学院生や研究に興味をもつやる気と根気のある学部生を募集中です。他大学他学部出身の大学院生(修士・博士)も歓迎します。当講座の研究テーマに興味をもつ大学院生にはより専門的な研究指導を行いますが、臨床講座から来る大学院生には本人の興味に合わせた研究指導を行うことも可能です。また、上記研究テーマに関わらず、共同研究や技術相談についても随時受け付けていますのでお気軽にご相談ください。
(TEL: 018-884-6053 email: ybando*med.akita-u.ac.jp *を@に変えてください)

篤志献体について

篤志献体(以下、献体)とは、医学・歯学の大学における解剖学の教育・研究に役立てるため、自分の遺体を「無条件・無報酬」で大学に提供することをいいます。「自分の死後、遺体を医学・歯学の教育と研究に役立てたい」と志した人が生前から献体の登録をしておき、亡くなられた場合には御遺族あるいは関係者がその遺志にしたがって御遺体を大学に提供することによって、はじめて献体が実行されます。秋田大学医学部には「秋田大学医学部白菊会」が昭和56年6月に設立され、現在に至っています。
医学は目覚ましく日々進歩しており、多くの病気の新しい診断法や治療法が開発されています。私ども医科系の大学では、このような医学の発展に貢献する立派な医師や医学研究者を養成するという責務があります。医師となるためには人体の構造や機能を理解しておく必要があり、私どもの講座が担当している「系統解剖実習」は医学教育の基盤を構成する重要な実習の一つとなっています。系統解剖は肉眼解剖あるいは正常解剖とも言われますが、ご献体されたお体を通して人体の正常な基本的構造を実際に自分の目で観察し、身体の構造を深く理解することができる貴重な機会であり、医師となるための必須条件となっています。また、実習を通して医師となるための責任と高い倫理観を養う上でも医学教育の中でも重要な位置づけとなっております。
医師とりわけ外科系医師においては外科的治療を行っていく上で高度な解剖学的知識を持ち合わせていなければならないことは言うまでもありません。しかしながら、医療技術の高度化や内視鏡などの医療機器の急速な進歩に伴い、より安全で侵襲の少ない治療法を行うためにはこれまで以上により専門的な解剖学的知識や手術手技が要求される時代となっています。これらの要求を満たすためには、第一線で活躍する現場の医師であっても常に技術の向上を目指したトレーニングやその治療を行う上でより高度な解剖学知識の習得が重要であり、医師の卒後教育の機会として「サージカルトレーニング」の必要性が全国的に高まってきております。秋田大学医学部においても今後、サージカルトレーニングの実施の要望は増加すると考えられますので、秋田大学医学部の医学教育を支えて下さっている「秋田大学医学部白菊会」会員の皆様方と新しい献体制度の在り方についても今後協議していきたいと考えております。白菊会の新規入会については諸事情により現在中断しておりますが、白菊会または献体についてのお問合せは秋田大学医学部白菊会(学務課 018-884-6030)までお願いいたします。

研究実績

A Case of anomalous bronchial artery ramified from coronary artery.
Ishizawa A,Zhou M,Suzuki R,Abe H
Anat Sci Int,(Epub ahead of print)

Observation of root variations in human coronary arteries.
Ishizawa A, Tanaka O, Zhou M and Abe H.
Anat Sci Int, 81, 50-56 (2006)  

Anomalous venous system in the human heart. 
Ishizawa A, Zhou M, Abe H.
Anat Sci Int. 82,242-246 (2007)

Intersection patterns of human coronary veins and arteries.
Ishizawa A,Fumon M, Zhou M,Suzuki R, Abe H.
Anat Sci Int. 83,26-30 (2008)

Localization of ATP sensitive K+ channel subunits in rat submandibular gland.
Zhou M, He HJ, Hirano M, Sekiguchi M, Tanaka O, Kawahara K and Abe H,
J Histochem Cytochem,58, 499-507(2010)

Localization of the sulphonylurea receptor subunits, SUR2A and SUR2B, in rat renal tubular epithelium.
Zhou M, He HJ, Tanaka O, Suzuki R, Sekiguchi M, Yasuoka Y, Kawahara K, Itoh H and Abe H
Tohoku J Exp Med. 214, 247-256(2008)

Localization of sulphonylurea receptor subunits, SUR2A and SUR2B, in rat heart.
Zhou M, He HJ, Suzuki Y, Liu KX, Tanaka O, Sekiguchi M, Itoh H, Kawahara K and Abe H
J Histochem Cytochem,55,795-804(2007)

Expression of ATP sensitive K+ channel subunit Kir6.1 in rat kidney.
Zhou M, He HJ, Suzuki Y, Tanaka O, Sekiguchi M, Itoh H, Kawahara K and Abe H
Eur J histochem, 51,43-51(2007)

c-Fos Gene Expression Is Increased in the Paraventricular Hypothalamic Nucleus of Sprague-Dawley Rats with Visceral Pain Induced by Acetic Acid Without Detectable Changes of CRF mRNA: A Quantitative Approach with An Image Analysis System.
Bang H. Hwang , Hung-Ming Chang, Zhu-hua Gu, and R. Suzuki
Anatomical Record 290: 406-413(2007)

Localization of EFA6A, a guanine nucleotide exchange factor for ARF6, in spermatogenic cells of testes of adult mice.J Mol Histol.
Suzuki R, Saino-Saito S, Sakagami H, Toshimori K, Abe H, Kondo H
40,77-80(2009)

Localization of fatty acid binding protein of epidermal type common to dendritic cells and presumptive macrophages in Peyer's patches and epithelial M cells of mouse intestine.
Suzuki R, Nourani MR, Saino-Saito S, Abe H, Nochi T, Kiyono H, Spener F, Kondo H, Owada Y
Histochem Cell Biol.132,577-584(2009)

Localization of fatty acid binding proteins(FABPs) in the cochlea of mice.
Saino-Saito S, Suzuki R, Tokuda N, Abe H, Kondo H, Owada Y
Ann Anat 192,210-214(2010)

研究へのご理解・ご協力のお願い

1)実習試験における正解率と体部位・臓器組織・用語試験との関係の分析

実習試験における正解率と体部位・臓器組織・用語試験との関係の分析

1.研究の対象

解剖学の試験の答案内容(2013年~2017年 医学部医学科2年次に在籍した方の分)

2.研究目的・方法

解剖学の実習試験と用語試験の答案内容を対象とする。 実習試験の各出題毎に正解率(正解の個数÷答案枚数)を求め、正解率の低い出題を統計学的に証明する。また用語試験との相関を証明する 今後の解剖実習における効率的な指導に役立てる。
研究期間は2023年3月まで。

3.研究に用いる試料・情報の種類

情報:答案用紙上の匿名化された解答内容等。
(氏名・学生証番号等の個人を特定しうる情報は一切用いません)

4.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料(研究のまとめ、表1)を閲覧できます。
また、情報が当該研究に用いられることについてご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも不利益が生じることはありません。(2020年6月25日までにお申出ください。それ以降は原稿を投稿する場合があります。)

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先
〒010-8543 秋田市本道1-1-1 秋田大学大学院医学系研究科
形態解析学・器官構造学講座  鈴木 良地
(電話) 018-884-6054 (メール)rysuzuki@gipc.akita-u.ac.jp

(研究責任者)秋田大学名誉教授
〒983-0824仙台市宮城野区鶴ケ谷8丁目15-19 阿部 寛
(電話)090-6256-3617(メール)abehiroshi6978@gmail.com

添付(研究計画書、研究のまとめ、表1(2013年度 実習試験の設問と正解率)

血中遊離DNAのサイズ分布を指標とした診断法の開発

説明文書及び同意文書