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総合診療・検査診断学

組織紹介

医学専攻 病態制御医学系:総合診療・検査診断学講座の概要

詳しくは、当該 医学専攻 病態制御医学系:総合診療・検査診断学講座 ホームページをご覧ください。

※この情報は、平成2908月現在の状況です。

構成員の紹介

教授 廣川 誠 Makoto HIROKAWA
准教授 植木 重治 Shigeharu UEKI
講師(併任) 守時 由起 Yuki MORITOKI
助教 嵯峨 知生 Tomoo SAGA
助教 面川 歩 Ayumi OMOKAWA
医員 嵯峨 亜希子 Akiko SAGA
医員(他科研修中) 長谷川 諒 Ryo HASEGAWA
医員(他科研修中) 渡部 健 Ken WATANABE
     

教育と研究の概要

主な担当授業

1)医学科講義・実習
(1)総合内科診断学、臨床検査医学、臨床免疫・アレルギー学、感染症・感染制
   御学、Reversed CPC(臨床検査データから学ぶ病態学)
(2)臨床実習
   ①5年次BSL:採血実習、血液検査、生化学検査、尿・一般検査、生理学検
    査、細菌学的検査などの実習と講義、手洗い実習、Reversed CPC、総合診
    療部カンファランス、感染制御チーム(ICT)カンファランス(総合診療部・中
    央検査部・感染制御部と連携)
   ②6年次臨床実習(選択):ホスピス・療養型病床・救急・総合診療・往診の施
    設実習、NEJMのCase record検討会など
2)修士・大学院講義
 (1)臨床医学総論、新興・再興感染症、免疫学
 (2)免疫・アレルギー学総論と細胞活性化分子機構
 (3)免疫およびアレルギー疾患におけるバイオマーカーの探究

 

医学専攻 病態制御医学系:総合診療・検査診断学講座の概要

1.沿革と使命
 本講座は臨床検査医学講座を前身として平成25年7月に設立された新しい講座で、高度な医療に求められる医師の専門性の深化と、複眼的な視点で患者さんを捉えられる総合性の両立を命題として、その課題を解決することを使命としております。本講座の目標は、全ての医療の基礎となる診断学の向上と発展に貢献することであり、その目的は、(1)臓器横断的な症状を呈する患者の疾患と病態を的確に診断し、迅速に最適な治療や療養が受けられるような医療提供体制を構築すること、(2)専門診療科や部門と円滑な連携を取ることができる医療人を育成すること、そして(3)診断学の進歩に貢献する病態の解明と新しい検査技術の開発を行うことです。


2.教育と進路
 医学科学生教育においては、検査医学・総合診療・感染制御に重点を置いています。検査医学では、揺れ動くファジーな生体を検査で評価することの意味を学びます。検査の意味を正しく理解し、検査から病態を読み取るためにReversed CPCによるトレーニングを取り入れています。
 卒後教育においては、学内の基礎・臨床講座と連携し、またプライマリケア・総合診療を研修できる学外の医療機関と連携することによって、リサーチマインドを有する総合診療専門医(家庭医療専門医)と臨床検査専門医を育成していきます。日本臨床検査医学会は基本領域学会の一つであり、県内で臨床検査専門医を取得するコースを設定しているのは、現在のところ当科のみです。
 検査診断学はすべての道に通じています。これまでに教室に所属した医師のフィールドも幅広く、臨床検査医学、血液内科、腎臓・膠原病、消化器科、呼吸器・アレルギー、歯科、小児科、小児外科、耳鼻咽喉科、産婦人科、解剖学などです。大学院を卒業したのちに、皮膚科、精神科、腫瘍内科、基礎研究など、それぞれのサブスペシャリティーや興味のある分野に進む場合もあります。

3.診療
 総合診療部は適切なプライマリケアの提供を目的として、一般的な症候に対する鑑別と初期対応ができることを目標としています。また、臓器横断的症状を呈する該当診療科不明の患者さんを診察して、適切な専門診療科で速やかに治療が受けられるようにしています。初期臨床研修医の病歴聴取および身体診察、臨床推論の研修の場としても機能しています。
 中央検査部は一日1000人を越す附属病院の外来患者と約600人の入院患者の検査業務を行っており、迅速で確実なデータ提供を行っています。臨床検査に従事する検査医の存在は一般にはあまり知られていませんが、検査室の管理・質の保障などの役割を担うほか、診療報酬(検体検査管理加算料)の面からも貢献しています。病院の教育・研究にも重要な役割を担っており、また、検査結果をいち早く入手でき、横断的な検査部の特徴を生かし、ICT(インフェクションコントロールチーム)の一員として活動しています。コンサルトへの対応、検出菌動向や耐性獲得状況のサーベイランス(監視業務)活動を行っています。同一菌が多数報告されたときには、菌株や環境の調査を行い、パルスフィールド電気泳動を用いて分子疫学的に検討を行います。

4.研究
研究内容
(1)アレルギー性炎症疾患の研究
 アレルギー疾患・好酸球性炎症疾患の病態形成において、好酸球は気道炎症を引き起こす中心的な炎症細胞であり、この活性化機構を明らかにすることが重要です。そこで私たちは、特に好酸球をターゲットにして、ケモカイン・サイトカイン・接着分子・増殖因子・脂溶性ホルモンといった分子による細胞の活性化機構について検討してきました。最近では、好酸球の新しいタイプの細胞死(ETosis)を見いだし、疾患との関連に注目しています。このほかにも、気道上皮細胞のサイトカイン産生メカニズムに関する研究、喘息モデルマウスを用いたシグナル分子や性差の研究を行い、国際誌へ報告しています。アレルギー市民講座を企画・運営するなど、社会的な活動にも力を入れています。

(2)検査技術の開発
 検査技師と共同で、臨床検査の効率化・精度管理・性能評価に関する検討を行っています。大学病院として、基礎的な研究から有効な検査を開発し、病勢・病態を把握することも重要です。私たちは、全血から好酸球をフローサイトメトリーで直接分画し、細胞表面・細胞内分子を検討することで臨床的なモニターができることを報告しました。また、喘息患者においてチオレドキシン (TRX)といったレドックス制御蛋白や高感度CRPの上昇を発見し、病態を反映するマーカーになるのではないかと考えています。酸化ストレスの非侵襲的指標として、尿中バイオピリンの有用性についても検討しています。

(3)感染管理における地域ネットワークの実証研究
 感染症は伝播するという点で他の疾患にみられない特徴を有していることから、臨床対応においてサーベイランスが重要な位置づけを持っています。私たちは、感染制御部や中央検査部、医療情報部と協力して、本邦初となるインターネットを介した医療施設間ネットワーク(Akita-ReNICS)を構築し、情報の共有化とサーベイランスの実証研究を行っています。

(4)自己免疫の関与する炎症性肝疾患に関する基礎的研究
 これまでに難治性疾患である原発性胆汁性肝硬変(PBC)マウスモデルにおいて自己免疫性胆管炎に対する制御性B細胞の存在を明らかにしてきました。一方、抗CD20抗体を用いたB細胞除去療法により、モデルマウスおよび標準治療に反応性の低いPBC患者において胆管炎を改善することを報告しています。これらのことから、PBCに対するB細胞除去および制御性B細胞誘導を用いた新規療法の開発を目指しています。

(5)腎疾患、関節リウマチなどの自己免疫性疾患の治療薬の作用
 自己免疫性疾患では多様な薬剤が使われる反面、臓器や免疫細胞における作用部位、作用機序が知られていない薬剤も存在します。アフィニティークロマトグラフィを用いて免疫臓器における抗リウマチ薬の作用・結合蛋白についても検討しています。

(6)自己免疫性腎疾患の自己抗体の測定による診断手法の確立
 一部の腎疾患は自己免疫疾患である事が知られていますが、診断確定には病理学的検査を必要としています。IgA腎症、膜性腎症などの腎疾患における自己抗体を特定し、EILSA等による診断に向けた研究を行っています。