臨床研修プログラム

インデックス(下からお選びください)

  • はじめに
  • 目標と概要
  • プログラムの管理運営委員会
  • 研修目標
  • 行動目標(3年~4年目)
  • 行動目標(5年~6年目)
  • 週間予定
  • 専門医取得後の進路
  • 得意とする分野と診療実績
  • 臨床研修協力施設
  • 海外留学先

秋田大学泌尿器科臨床研修プログラム

  • 2005年1月 制定
  • 2015年4月 改定 PDF形式

本プログラムは、原則として2年間のローテート研修を終了した卒後3年目からの泌尿器科専門医を目指す医師のための秋田大学ならびに泌尿器科臨床研修協力施設で行われる泌尿器科臨床研修プログラムである。

はじめに

泌尿器科は近年の医学進歩のなかで急速に発展している分野である。泌尿器科の4大腫瘍(腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍)、腎移植・透析、小児泌尿器科、排尿障害、内分泌外科、女性泌尿器科、尿路感染症、尿路結石、不妊症、性機能障害など広い分野をカバーしている。人口の高齢化に伴い、前立腺癌、前立腺肥大、尿失禁、婦人尿路疾患の患者は著しく増加している。膀胱癌、腎癌も着実に増加している他、慢性腎不全患者の増加も大きな国家的問題である。今後、医療・社会福祉のなかで泌尿器科医の果たすべき役割がますます大きくなっていくことは間違いない。

秋田大学泌尿器科では2年間のローテート研修を終了した卒後3年目からの泌尿器科専門医を目指す医師のために4年間の研修プログラム「秋田大学泌尿器科臨床研修プログラム」を策定している。

研修プログラムには秋田大学泌尿器科臨床研修プログラムに参加していただける別記の協力施設と共同し、広範囲にわたる泌尿器科一般の基礎を研修することを目的とする。同時に卒後6年目には日本泌尿器科学会専門医の資格を取得することを目指す。

ただし、ここに示すプログラム内容を標準とするが、個々の研修プログラム参加医師の希望、能力、目標に応じて指導医との協議の上、研修内容を変更することがある。

尚、本プログラムは日本泌尿器科学会の専門医および指導医資格試験の受験資格を得るための5年の研修期間の一部となり、6年目には受験資格が得られる。また、関連学会として日本腎臓学会、透析療法学会などの専門医の資格を得るための研修期間としても位置づけられる。

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目標と概要

目標
  1. 泌尿器科専門医として、臨床的知識、技術を習得し、日本泌尿器科学会認定専門医の資格を取得する。
  2. 泌尿器科専門医としての基礎的、臨床的な思考能力、研究能力を養い、将来の指導医としての能力を身に付ける。
概要
  • 卒後1~2年目 各自がスーパーローテート研修
    日本泌尿器科学会への入会は必ずしも必要では無い
  • 卒後3年目 原則として秋田大学医学部附属病院で泌尿器科臨床基礎研修
  • 卒後4年目原則として秋田大学泌尿器科臨床研修プログラム協力施設でさらに泌尿器科臨床の研修
  • 卒後5年目希望により1~3を選択
    1. 秋田大学医学部附属病院で泌尿器科臨床基礎研修と臨床研究
    2. 臨床研修プログラム協力施設での研修続行(希望により)
    3. 秋田大学医学部大学院(社会人大学院)に入学
      日中は秋田大学医学部附属病院または臨床研修プログラム協力施設で研修
  • 卒後6年目卒後5年目と同様。ただし前記内容の1から2、2から1、1から3、2から3などへ変更可能。日本泌尿器科学会専門医認定試験受験を予定
  • 卒後7年目以降一般病院(研修プログラム協力施設を含む)で勤務、大学での研究、留学など
概要図
概要図

概要図

プログラムの管理運営委員

  • プログラム責任者
    羽渕友則(秋田大学医学部泌尿器科教授)
  • プログラム委員
    佐藤 滋(秋田大学医学部腎疾患先端医療センター)
  • 土谷順彦(秋田大学医学部泌尿器科准教授)
  • 松尾重樹(市立秋田総合病院泌尿器科科長)
  • 佐藤一成(平鹿総合病院副院長)
  • 北島正一(由利組合総合病院泌尿器科科長)
  • 下田次郎(岩手県立胆沢病院)
  • 熊澤光明(大曲厚生医療センター)
  • 下田直威(秋田赤十字病院泌尿器科)
  • 石田俊哉(市立秋田総合病院泌尿器科)

必要に応じて随時プログラム委員会を開催し、研修状況とプログラムの評価を行い、それに基づいて次年度のプログラムについて修正、決定する。

研修目標

泌尿器科専門医として独立して泌尿器科の基本疾患に対応できる実力を養うこと。

そのためには、

  1. 泌尿器科専門医としての基礎的知識を習得する。
    (他科医師からのコンサルトに対応でき、また最新の泌尿器科臨床の知識を学会や論文より吸収できる)
  2. 泌尿器科患者の予診・問診を行い患者の問題点を評価できる。
  3. 泌尿器科患者の検査・治療計画が立てられる。
  4. 泌尿器科患者の診断のための基本検査が行える。
  5. 泌尿器科患者の内科的・外科的治療の初歩的技術を修得し、実践できる。

もちろん、医師・社会人として、患者や家族のおかれた心理的、社会的状況をよく理解し、患者および家族と良好な信頼関係を保つことができること、また他の医師や様々なスタッフと強調・協力して診療に従事できることが必須である。

行動目標(3年~4年目)

  1. 患者の問診と基本的診察ができ、病状のアセスメントができる。
  2. 外陰部の診察、前立腺の直腸診など泌尿器科領域の基本的理学所見が取れる。
  3. 腹部超音波により腎、膀胱、前立腺、女性の生殖器などの評価ができる。
  4. 膀胱鏡検査が行え、所見が取れる。
  5. 逆行性尿管カテーテル法ができる。
  6. 各種画像診断(KUB、DIP、CT、MRI、シンチグラフィー、RPなど)を読影・評価できる。
  7. 泌尿器科腫瘍(腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍)、腎移植・透析、小児泌尿器科、排尿障害、内分泌外科、女性泌尿器科、尿路感染症、尿路結石、不妊症、性機能障害などについて専門医レベルの基本的知識、診断、治療、予後などについて概説できる。
  8. 基本的ウロダイナミックス(ウロフロメトリー、シストメトリー)が行え、結果を評価できる。
  9. 泌尿器科救急疾患(尿閉、外傷、精索軸捻転、急性腎不全など)の対応ができる。
  10. 腎不全患者、透析患者の管理ができ、緊急ブラッドアクセスが作成できる。
  11. 泌尿器科手術の周術期管理ができる。
  12. 泌尿器科小手術が独立して行える(例:精巣生検、精巣摘除、TUR-BT、TUR-P、精管結紮、経尿道的砕石術、腎ろう造設、内シャント造設術など)。
  13. 泌尿器科手術の一部を指導医の下で行える(例:単純前立腺摘除、前立腺全摘除、膀胱全摘除、腎摘除、腹腔鏡下副腎摘除、困難な内シャント造設など)。
  14. 泌尿器科手術の一部の介助が行える(例:腎移植、腹腔鏡下腎摘除、膀胱全摘除、後腹膜リンパ節郭清など。)
  15. 興味のある症例やテーマについて指導医のもと学会発表や論文作成ができる。 (最低、年1回の学会での発表と論文作成)

行動目標(5年~6年目)

  1. 原則として3年目・4年目に得た知識、技術を基に、独立した泌尿器科医として外来診療、入院患者診療にあたる。
  2. 3年目・4年目の研修中医師に対してはシニア医師として適切な助言・指導ができる。
  3. 各自の興味をもつテーマを自発的に持ち、指導医とともに、臨床研究・基礎研究を進める。またその成果を学会で発表すると共に論文にまとめる。
  4. 高度の技術を要する手術をふくめ、ほぼ泌尿器科全域の手術を術者として行えるか、または第一助手として介助できる。

秋田大学医学部泌尿器科での週間予定

  • 月曜日
    7時30分~画像カンファレンス(放射線科専門医と共同)、入院患者状況報告、抄読会
    9時00分~病棟研修
    15時00分~手術報告、教授廻診、症例検討会
  • 火曜日
    手術・病棟研修、(場合により8時~研究・学会予行発表会)
  • 水曜日
    8時00分~病理カンファレンス(病理専門医と共同)と症例検討 9時~病棟研修(検査など)
  • 木曜日
    8時00分~症例検討、抄読会、研究・学会予行発表会
  • 金曜日
    8時30分~病棟研修(検査など)

尚、毎日9時30分より、助手、講師、助教授または教授による病棟廻診を行っている。

専門医取得後の進路

本人の希望、力量により大学教員、大学研究者、総合病院(関連病院多数あり)勤務医、開業医、などさまざまな進路がある。実際、ほん教室出身者より、他大学の泌尿器科部門の教授、基礎部門の教授を輩出している。また関連病院で第一線の泌尿器科医として活躍している医師はもちろん、開業医として地域の泌尿器科・腎疾患の診療医として重要な役割を果たしている医師も多い。

大切なことは、泌尿器科といっても分野がひろく“やりたい分野”をはっきり決めて努力すれば上手く行きます。この研修プログラム中に“やりたい分野”に目星をつけるのも大切な仕事です。

得意とする分野と診療実績

秋田大学医学部泌尿器科では基本泌尿器科に加えて、特に、

  1. 泌尿器科腫瘍
    泌尿器科の4大腫瘍(膀胱癌、前立腺癌、腎細胞癌、精巣腫瘍)について積極的な外科的治療とともに、化学療法、放射線療法をくみあわせた最新の集学的治療法を実践しています。また腹腔鏡手術を積極的に取り入れています。
  2. 腎移植と血液透析
    腎移植件数は東北、北海道地区では1位。全国国公立大学附属病院中1-2位を争っています。
  3. 排尿障害と女性泌尿器科
    排尿障害や尿失禁に対する外科的治療や内科的治療を積極的に行っています。
  4. 泌尿器科腹腔鏡手術
    東北地区でももっとも早く腎癌、腎盂癌、前立腺癌に対して腹腔鏡手術を開始しました。腹腔鏡下前立腺全摘除術は東北地区で唯一高度先進医療として認められている施設です。4名の内視鏡外科学会・日本泌尿器科学会・日本EE学会認定の泌尿器腹腔鏡技術認定医を輩出しています。
  5. 小児泌尿器科
    基本的な小児泌尿器科疾患はもちろん、神経排尿障害を伴う重症例、困難な症例にも外科的、内科的な両面から対応しています。

を中心に学ぶことができる。

なお、秋田大学医学部泌尿器科の診療実績につきましては、当科概要にある「主な手術件数」を参照してください。

秋田大学泌尿器科臨床研修協力施設

臨床研修協力施設

  • 東北大学附属病院
  • 弘前大学附属病院
  • 京都大学附属病院
  • 虎ノ門病院
  • 水戸医療センター
  • 岩手県立胆沢病院
  • 市立秋田総合病院
  • 秋田赤十字病院
  • 平鹿総合病院
  • 由利組合総合病院
  • 大曲厚生医療センター
  • 秋田厚生医療センター
  • 中通総合病院
  • 水戸協同病院

この他の施設でも希望があれば研修可能である

その他の関連病院(研修可能)

  • 市立十和田病院
  • 秋田労災病院
  • 北秋中央病院
  • 湖東総合病院
  • 公立角館総合病院
  • 本荘第一病院

地図

秋田大学泌尿器科臨床研修協力施設(全国)

秋田大学泌尿器科臨床研修協力施設(全国)


秋田大学泌尿器科臨床研修協力施設(秋田県)

秋田大学泌尿器科臨床研修協力施設(秋田県)

海外留学先(経験施設を含む)

  • Mayo Clinic, USA (泌尿器科など)
  • Leeds University, UK(膀胱癌の研究)
  • Cleveland Clinic, USA (腎移植の研究など)
  • University of British Columbia- Vancouver General Hospital, Canada (前立腺癌の研究)
  • M.D. Anderson Cancer Center, USA(膀胱癌の研究)
  • Brigham and Women's Hospital, Harvard Medical School, USA(嚢胞腎の研究)
  • McGill University, Canada(前立腺癌の研究)
  • Vancouver Prostate Centre, Canada(前立腺癌の研究)

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