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手術症例成績

食道外科

食道癌手術件数

食道癌にかかりやすい人は①長年にわたりタバコを吸っている人、②飲酒している人、③飲酒により顔が赤くなる人(フラッシャー)です。秋田県の喫煙率、飲酒率は依然として高く都道府県別ランキングトップ5に入ります。また高齢化率は全国トップです。

このような背景から、秋田県人の食道癌罹患率(食道癌にかかる割合)は全国平均の約2倍で、年間10万人あたり30人です。秋田県の人口106万人を考えると、年間約300人が食道癌にかかる計算になります。

食道癌の上部消化管内視鏡像

食道癌の上部消化管内視鏡像

食道癌の切除標本

食道癌の切除標本

秋田大学医学部附属病院では年間約150例の新規食道癌患者の治療を行っています。つまり秋田県で食道癌にかかる患者さんの約半数を治療しています。食道外科は地域の中核病院としてこれまで多くの食道癌手術を行ってきました。1972年の教室開設以来、食道癌切除患者総数は1,300例を超え、最近は年間40〜50例の食道癌手術を行っています。

2003年から2012年までの食道癌手術件数の推移

2003年から2012年までの食道癌手術件数の推移

手術術式

  1. 手術先行治療を行う症例では胸腔鏡下食道切除を基本術式としています。
  2. 術前化学療法あるいは術前化学放射線療法を行った後に手術を行う症例では胸腔鏡補助下開胸食道切除を基本術式としています。
  3. 根治的化学放射線治療後の癌遺残あるいは再燃症例には積極的な救済手術(サルベージ手術)を行っています。

手術成績

2003年4月から2012年12月までの胸部食道癌手術患者さん420例の術後3年および5年生存率(他病死も含む累積生存率)はそれぞれ69%、62%です。

臨床病期別3年/5年生存率(他病死も含む累積生存率)は病期0: 100%/100%、病期I: 87%/83%、病期II: 70%/58%、病期III: 60%/55%、病期IVa: 44%/35%です。

病期別の生存率

病期別の生存率
   2003年4月から2012年12月までの胸腹部食道癌420例
3年生存率   5年生存率
全症例 69% 62%
病期0 100% 100%
病期1 87% 83%
病期2 70% 58%
病期3 60% 55%
病期4 44% 35%

術後合併症

過去10年間の術後合併症発生頻度は手術直接死亡(術後30以内の死亡): 0.2%、縫合不全: 約10%、反回神経麻痺: 約20%、肺炎: 約20%です。

その他の食道疾患

食道良性腫瘍、食道運動障害疾患(食道アカラシア)、逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニアなどの食道疾患に対する外科治療を行っています。これらの疾患に対しては腹腔鏡下手術を基本術式としています。