ヘム合成と関連疾患

ヘムは骨髄(赤芽球)、または肝臓で合成される。この合成経路の障害により
鉄芽球性貧血
・ポルフィリン症( 肝性骨髄性 )
などが生じる。

 鉄芽球性貧血では、ヘム合成に利用できずにミトコンドリア内に沈着した鉄が細胞核を取り囲んでいるような赤血球を観察できる。このような赤血球を環状鉄芽球(ring sideroblasts)とよび、これが赤芽球の20%以上を占めると診断となる。

 ポルフィリン症では急性間歇性以外で、光線過敏症が特徴的である。酵素欠損により合成経路中の代謝産物(ポルフィリン体)が蓄積され、皮膚に蓄積したポルフィリン体が日光暴露により反応し毒性を持つ。これが色素沈着や潰瘍をつくり、さらに多毛の原因ともなる。さらに精神症状も呈し、この疾患が狼男伝説の原形となったといわれる。

 また、グロビンの合成異常では・サラセミアとなる。