骨髄性ポルフィリン症

・先天性骨髄性ポルフィリン症
概念
赤芽球におけるウロポルフィリノーゲンIIIコシンターゼ(脱炭酸酵素)の高度の減少によるもの。常染色体優性遺伝病である。
症状
生後まもなくから光線過敏症を発症する。 光線過敏症 溶血性貧血 赤色尿 赤色歯 red-stained teeth
検査所見
ポルフィリン値 ウロポルフィリンIが尿中および血中に増加する。


・骨髄性プロトポルフィリン症
概念
赤芽球におけるフェロケラターゼ(ヘム合成酵素)活性の低下によるもので、尿中ポルフィリンは検出されない点が特徴である。 常染色体優性遺伝病であると考えられている。

フェロケラターゼはプロトポルフィリンを鉄イオンとキレートさせてヘムへと合成する段階の酵素であり、 本酵素の活性低下によってプロトポルフィリンの蓄積が生じる。 このため血液中のプロトポルフィリンは増加するが、プロトポルフィリンは非水溶性なので尿中では検出されない。

症状 光線過敏症 日光暴露後に紫斑や蕁麻疹様の膨疹を生じる。
検査所見 ポルフィリン値 赤血球および糞便中のプロトポルフィリンは増加するが、プロトポルフィリンは非水溶性なので尿中では検 出されない。
合併症 肝不全
病理所見 本症では血管周囲の蓄積物がPAS染色にて強陽性に染まるのが特徴である。 免疫蛍光抗体法ではPAS陽性物質に一致してIgGやC3などの沈着が見られる。