第6回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会

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大会長挨拶

第6回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会
会長 島田洋一
秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系整形外科学講座

この度、第6回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会を、2015年2月21日(土)、秋田ビューホテルにおいて、秋田大学整形外科が主催させていただきます。

日本ニューロリハビリテーション学会は、第1回学術集会が2010年に開催され、学際的領域において、ニューロリハビリテーションの臨床および基礎研究について英知を結集し、神経系疾患の治療に結びつけることを目的としています。そのため、リハビリテーション科、整形外科、脳神経外科、神経内科など、多くの分野の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、義肢装具士、言語聴覚士の方々が参加し、本邦におけるニューロリハビリテーション分野を牽引する存在となっています。特に、それぞれの分野の中核をなすトップ研究者が参集することによる、他にはみられない全方位的な討論が繰り広げられ、新たな研究の萌芽が期待されます。

今回は、整形外科分野が主催する初めての学術集会となります。私は、20年来、先端医用工学をリハビリテーションに応用し、脳卒中、脊髄損傷などの麻痺肢再建に取り組んできました。その間、脊髄損傷完全四肢麻痺の上肢機能再建による飲食、書字、コンピュータ操作、完全対麻痺の体幹・下肢機能再建による起立・歩行再建などを成功させてきました。また、これらに付随する技術は、他方面にも応用され、医学の進歩に寄与しています。先端医用工学により、従来のリハビリテーションゴールを越える機能をもたらすことは、患者にとって大きな福音となると共に、次世代の医療技術開発の先駆けともなると考えます。そのため、今回のテーマは、『先端医用工学が拓く新たなニューロリハビリテーション』とさせていただきます。内外の最先端研究・技術を紹介し、これまであまり関わりのなかった会員にも役に立つ話題を提供することで、ブレークスルーな試みが生まれることを期待しています。

今や本邦の65歳以上の高齢者は、3,000万人を超え、4人に1人という高い割合になっています。今後、団塊の世代が一気に高齢者になるに伴い、日本は、大きな老人ホームの様相を呈して来ると危惧されています。それに伴い、脳血管障害、認知症、ロコモティブシンドロームなどの運動器疾患の急激な増加が見込まれます。これらに対して薬物療法と共に重要な役割を持つのがニューロリハビリテーションです。本邦の最高レベルを結集した本学術集会は、我が国に確実に降りかかる難題を解く鍵となるものと確信しています。我々は、パイオニアとして、広く内外に発信する成果を挙げることを求められています。

本学会が実りあるものとなりますように、多くの皆様の積極的なご参加をお願い申し上げます。

2014年4月吉日