Tohoku Society for Public Health 

第70回
東北公衆衛生学会



学 会 長 挨 拶


第70回 東北公衆衛生学会
学会長 野村 恭子

秋田大学大学院医学系研究科
衛生学・公衆衛生学講座 教授


 今年、第70回を迎える東北公衆衛生学会は、新型コロナウイルス感染症の持続的感染拡大のため、ハイブリッドで開催させていただく運びとなりました。1年前までは、遠隔会議システムを利用しての学会開催ができるのか全くの未知数でしたが、関係者の皆様にお力添えをいただき、何とか開催に漕ぎつけたことを大変嬉しく思っています。

 この1年余りで新型コロナウイルス感染症は社会経済面へ多大な影響を及ぼし、公衆衛生学の新たな課題となりました。景気後退による経済への影響は飲食・宿泊業など特定の業種の関係者のみならず、世界全体に大変深刻な影を落としました。さらに、我々の生活も人との接触や移動を最小限にする生活を余儀なくされ、コミュニティからの隔絶等々が、どれだけ精神面に負の影響を及ぼしたでしょうか。

 今回の基調講演では「新型コロナウイルス感染症に伴うメンタルヘルスの課題」と題し、秋田大学医学部精神科学講座主任教授でいらっしゃる三島和夫先生にご講演いただきます。三島教授は睡眠がご専門で、睡眠-覚醒障害、向精神薬の処方実態など、多数の厚生労働省等の疫学研究に携わっておられます。三島教授には、秋田大学の学生のこころとからだの調査を企画した当初よりご指導を仰ぎ、大学生の精神衛生の向上に向けご助言をいただいてまいりました。
 続く特別講演においては、誠に僭越ではございますが、私、野村が「コロナ禍の自粛が及ぼす大学生の鬱症状・自殺関連念慮への影響」についてお話しさせていただきます。

 新型コロナウイルス感染症がいつ終息に向かうのか見通しが立たず持久戦を強いられる中で、人々の精神衛生を良好に保つための工夫がより一層必要となっています。今回の講演で、我が国の大きな社会問題となっている若い人のメンタルヘルスについて、皆様と問題を共有できることを大変有意義に思います。また言わずもがなですが、新型コロナウイルス感染症のみならず、東北における公衆衛生学領域の様々な課題解決に向け、積極的な討議の場として皆様にご参加いただけますようお願いを申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

令和3年4月12日

第70回東北公衆衛生学会 事務局

秋田大学大学院 医学系研究科 衛生学・公衆衛生学講座
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