膀胱癌

内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」による膀胱全摘除術

私費診療によるダヴィンチ膀胱全摘除術について
秋田大学医学部泌尿器科 講師 井上 高光

はじめに

ロボット支援手術システム「ダヴィンチ」を腹腔鏡手術に用いることで、手術の精度が向上し、患者さんの身体的負担がさらに軽減しました。しかし膀胱がんに対しては、まだ保険診療でのロボット手術は認められていません。秋田大学泌尿器科ではダヴィンチによる膀胱全摘術を私費診療として一律200万円の患者さんの自己負担で行っています。

膀胱がんが膀胱の壁に深く入り込んでいる場合、手術による膀胱の摘出および尿の通り道を変更する手術(尿路変向術といいます)が必要となります。この場合の標準的な手術法は、お腹を大きく開ける開腹手術ですが、近年では身体的な負担が少ない手術として、腹腔鏡下手術が保険診療として認められています。腹腔鏡手術は、開腹手術に比べ術後回復が早く、痛みが少なく、傷が小さいことが利点ですが、鉗子の操作性が不自由であることにより、複雑な尿路変向術が腹腔鏡手術での難点でした。 秋田大学泌尿器科では最近、ロボット支援手術システム「ダヴィンチ」を腹腔鏡手術に取り入れ、前立腺がんや腎臓がんで保険診療での使用が可能となっています。この手術ロボットにより、腹腔鏡手術の欠点を補うことで手術の精度が向上し、患者さんの身体的負担がさらに軽減しました。また複雑な尿路変向術もロボットの使用で可能になっています。しかし膀胱がんに対しては、まだ保険診療でのロボット手術は認められていません。秋田大学泌尿器科では保険診療が認められるまでの間、ダヴィンチによる膀胱全摘および尿路変向術を私費診療として一律200万円の患者さんの自己負担で行っています。万一、合併症等が起きて検査や治療を追加で行ったり、入院期間が延長したりしたとしても、原則として、手術時の入院費用が200万円のほかにかかることはありません。実際の手術説明文書はこちら
さらに詳しい内容を相談されたい方は、秋田大学医学部附属病院 泌尿器科 井上高光までご連絡ください。

メニューを開く