婦人科 主訴から想起すべき疾患

無月経
* 18歳以上で初経がこないときこれを原発性無月経といい、16歳以上で初経の無いものは晩発性無月経という。順調だった月経が3ヶ月以上停止したものを続発性無月経といい、39日以上の月経周期を希発月経という。
疾患名好発年齢備考
1妊娠20-40尿中hCG、
経膣エコーで確認
2続発性無月経20-35
  1. 視床下部性
  2. 下垂体性
  3. 卵巣性
  4. 子宮性
  5. 症候性
3原発性無月経18以上
  1. 視床下部性
  2. 下垂体性
  3. 子宮性
  4. 症候性
4卵巣腫瘍25-55ホルモン産生腫瘍の場合
5PCOS挙児希望月経不順のあった女性、
ネックレスサイン
下腹部痛
* 子宮外妊娠、流産などの産科疾患、腹膜炎、腸炎、虫垂炎などの消化器疾患、便秘などを鑑別のこと
疾患名好発年齢備考
1卵巣腫瘍25-55腫瘍の破綻、茎捻転
(急性腹症)
2子宮内膜症25-55月経時の疼痛、性交痛、
腰痛、排便通。CA125高値
3附属器炎15-30感染
4骨盤腹膜炎20-35腹膜刺激症状
5子宮筋腫35-50通常自発通は無いが…
6卵巣出血20-50 
7排卵痛18-36病的意義なし。排卵期出血。
8子宮内膜炎25-50子宮内操作後
9子宮留嚢腫60-70 
10子宮奇形、
膣閉鎖など
若いうち 
不正性器出血
*
疾患名好発年齢備考
1機能性子宮出血20-50除外診断
2子宮膣部びらん25-55偽びらん
3子宮筋腫30-55粘膜下筋腫
典型的な症状ではない
4子宮頚癌40-60コルポ、
5子宮体癌50-70ヒステロ、MRI有用
6子宮内膜増殖症20-50体癌の前癌病変
7中間期出血20-30病的意義なし。排卵期出血。
8頚管粘膜ポリープ25-45膣鏡診。無症状多い。
9子宮内膜ポリープ25-55頚膣エコー。体癌と鑑別
10萎縮性膣炎50-70老人性膣炎のこと
11卵巣腫瘍25-55ホルモン産生腫瘍の場合
12子宮肉腫40-60急速増大腫瘍
筋腫より柔らかい
13子宮内膜炎25-50子宮内操作後
14膣癌60前後まれ
帯下
*
疾患名好発年齢備考
1血性帯下不正出血起こす疾患の多くは血性帯下を示す。
2外陰膣カンジダ症20-40悪臭のない白っぽい酒粕状帯下。
そう痒感、灼熱感が強い。
常在菌であるカンジダが
宿主側の免疫力低下に伴い増殖、
発症すると考えられている。
糖尿病、ステロイド外用、
抗生物質投与などに合併。
検境、培養にて診断。
3細菌性膣炎20-50悪臭を伴う膿性帯下。
炎症症状のないものを細菌性膣症。
4萎縮性膣炎50-70老人性膣炎のこと。
膣粘膜に発赤、小出血斑。
5クラミジア頚管炎18-30軽い。
6トリコマナス膣炎18-58泡沫状帯下。そう痒感あり。
検鏡で鞭毛を有した原虫を見つける。

『標準産婦人科学 第3版』

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