学 会 長 挨 拶

第80回 日本産業衛生学会東北地方会
学会長　野村 恭子

秋田大学大学院医学系研究科
衛生学・公衆衛生学講座 教授

地方会の開催にあたって

　この度、第80回日本産業衛生学会東北地方会は、秋田において開催させていただきますが、2021年5月現在、新型コロナウイルス感染拡大のため、感染対策を十分に行った上での現地開催か、Live配信およびオンデマンド配信によるハイブリッドの開催を計画しています。しかし、変異株を含めた COVID-19 の感染拡大傾向は予断を許さない状況であり、国内の流行状況に十分留意し、開催方法を検討していきます。新しい情報につきましては、随時ホームページを更新して参りますので、適宜、ご参照お願いいたします。
　この１年余りで新型コロナウイルス感染症は社会経済面へ多大な影響を及ぼしました。景気後退による経済への影響は飲食・宿泊業など特定の業種の関係者のみならず、世界全体に大変深刻な影を落としました。さらに、我々の生活も人との接触や移動を最小限にする生活を余儀なくされ、コミュニティからの隔絶等々が、どれだけ精神面に負の影響を及ぼしたでしょうか。 今回の基調講演は、「ウィズコロナ社会の働く人のメンタルヘルス対策：秋田県自殺対策からの応用」とのタイトルで秋田大学保健学科准教授の佐々木久長先生にご講演を頂く予定としております。佐々木先生は、秋田県の自殺対策に長年携わっており、県、自治体、NPO、県民運動にも広くリーダー的存在として強く支持されています。特に、自殺のゲートキーパー育成では監修を務められ、今回のご講演では、新型コロナウイルス感染流行下における労働者の精神衛生について最新のエビデンスを拝聴できることと期待しております。
　残念ながら恒例の事業所見学は今回ありませんが、東北における産業衛生の様々な課題解決に向け、積極的な討議の場として皆様にご参加いただけますようお願いを申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

令和3年5月28日