従来肺癌に対する手術は病状の進行具合に関わらず、肺の切除とリンパ節郭清(リンパ節の摘出)を行ってきました。しかし多くの場合は、治療的にあまり意味のない転移陰性のリンパ節の摘出が行われているのが現状です。
この治療的に意味を持たないリンパ節郭清を省略し得るか、個々の患者さんで調べる方法をセンチネルリンパ節生検法といいます。世界でこの方法を肺癌に対して研究しているのは当大学病院を含めて数施設のみです。
特に私どもは放射線被爆が問題となる放射性同位元素を用いずに、安全な磁力を利用してセンチネルリンパ節生検を行う全く新しい方法を開発して研究中です。近い将来私どもの方法が普及して、無駄なリンパ節郭清を行わなくても肺癌の手術が安全にすむようになると期待して医局員一同研究に励んでいます。
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