 |
食道癌患者数および手術症例数
秋田大学医学部附属病院食道外科は地域の中核病院として秋田県内の患者さんを中心にこれまで多くの食道癌患者さんの治療に携わってきました。1972年教室開設以来の食道癌切除患者総数は約1000例です。最近の食道癌治療患者数は年間約120例(初治療患者数=手術例+根治的化学放射線治療例+内視鏡的粘膜切除症例)、食道癌切除患者数は年間約50例です。
過去5年間の食道癌切除患者数
過去3年間の食道癌内視鏡的粘膜切除・化学放射線治療患者数
病状説明と治療法決定のプロセス
当院に食道癌患者さんが受診(紹介)された場合、最初に患者さんご本人が病状をどこまで告知されることを望んでいるか、またご自身以外の誰に病状を伝えたいかを書面で確認します。次に患者さんの意志に従い病状を説明、さらに治療法(内視鏡治療、手術治療、化学放射線治療)の概要を説明し、患者さんご自身がどの治療法を望んでいるかを確認します。平行して当院の消化器内科医、食道外科医、放射線科治療医で構成する食道カンファレンスで医師側が患者さんに推奨する治療法を検討し、その結果を患者さんに提示します。そして最終的に患者さんご自身に治療法を決定していただきます。
手術
胸腔鏡補助下に開胸創を小さくした開胸開腹食道切除、後縦隔経路胃管再建術を基本術式としています。患者さんの状況により胸腔鏡腹腔鏡下食道切除再建術も行っています。また多臓器浸潤食道癌、リンパ節転移多数食道癌患者さんには根治的化学放射線治療を行い、癌遺残が認められた場合あるいは癌が再燃した場合には救済手術(食道切除再建術)を行います。
手術成績
1989年から2004年までの食道癌手術患者さん434例(姑息手術を除く)の術後5年生存率(他病死も含む累積生存率)は52%です。
病期(癌の進行度)別術後5年生存率(他病死も含む累積生存率)は病期0: 80%、病期I: 78%、病期II:
54%、病期III: 50%、病期Iva(術前化学放射線療法例を含む): 28%です。(A)
他病死を除いた場合の病期別術後5年生存率は病期0: 100%、病期I: 91%、病期II: 73%、病期III:
60%、病期Iva(術前化学放射線療法例を含む): 41%です。(B)

|