秋田大学大学院医学系研究科 分子機能学・代謝機能学講座

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ご挨拶

分子機能学・代謝機能学講座
(旧:生化学第一講座)
教授  松村 欣宏

松村先生

 分子機能学・代謝機能学講座では、環境要因によって調節される生命現象および疾患発症の仕組みについて研究を行っております。 私たちの研究は、分子レベルの仕組みを解明する生化学・分子生物学と、生命現象全体を俯瞰するシステム生物学という2つのアプローチを基盤にしています。 基礎医学研究を通じて、糖尿病やガンをはじめとする生活習慣病の予防・治療法の開発に取り組み、人々がより健康に長生きできる社会の実現に貢献することを目指しています。
 私たちの研究テーマの一つがエピゲノムです。我々の持つ遺伝情報にはゲノムとエピゲノムがあります。生まれ持ったゲノムは基本的には変わらないのに対し、エピゲノムは生活環境や習慣によって後天的に書き換わります。エピゲノムが書き換わると遺伝子のオンとオフが切り替わります。すなわち、私たちの生活環境や習慣は体の中の遺伝子のオン・オフを制御します。ご存知の通り、栄養バランスの取れた食事や、適度な運動などの良い生活習慣は、健康で疾患になりにくい体質を作り、食べ過ぎや運動不足などの悪い生活習慣は逆にはたらきます。しかし、生活習慣がエピゲノムを書き換え、健康や病気への感受性を決める分子メカニズムはまだ十分には明らかではありません。
 今日の医学は先人たちが長年にわたり蓄積してきた知識と経験の上になりたっており、未来の医学の進歩はこれからの研究によって支えられます。 医学・生命科学の未解明の問題にぜひ一緒に取り組み、新しい事実を発見し、それを世界に発信しましょう。 若い人たちの力が基礎医学研究を発展させ、未来の医学を切り開き、将来多くの人々の助けとなることを信じています。