文部科学省 課題解決型高度医療人材育成プログラム 「重症児の在宅支援を担う医師等養成プログラム」 秋田大学

プログラム概要

現状と課題

小児の在宅医療とその現状

小児医療の進歩は、子供たちのすくすくと育つ成長をより良く支えるとともに、これまで治療法のなかった難病の小児の治療成績を飛躍的に向上させてきました。新生児医療においては出生体重500g未満のケアーが日常診療になるなど目覚ましい進歩を遂げ、その治療成績は世界一と評価されています。一方、これらの進歩に伴い、生存に人工呼吸器や酸素療法を必要とし入院が長期化する重症児が増加し、数々の課題も浮き上ってきました。

重症児の医療の課題は、治療ベットの不足、重症児を支える家族の負担増、在宅医療への移行の困難性、在宅支援を行う地域資源の未整備、などが挙げられますが、特に、重症児の在宅支援を担う医療者の不足は大きな課題になっております。その人材の育成は急務となっています。

この度採択されました文科省プログラム「重症児の在宅支援を担う医師等養成」(鳥取大学、秋田大学、山形大学、大阪市立大学)では、重症児診療に必要な高度な知識と診療機能を持ち、多職種・多医療機関と連携できる人材を養成します。また、重症児の院内マネージメントおよび地域の関係機関と連携できる人材の育成を行います。

重症児の在宅支援を担う医療者の育成により、重症児医療を支える地域医療を充実させ子供たちの健やかな成長に繋がるようにしたいと思います。

秋田大学医学部附属病院小児科
教授 高橋 勉