研究概要と目的
Research Overview & Purpose
我が国で出生する児の15%近くが令和4年に保険適応となった生殖補助技術(ART)で生を授かっています。しかし、その効率(赤ちゃんを抱っこできる率)は長年頭打ちの状況です(図1)。
ARTには排卵誘発や採卵など特に女性側の負担が大きくその効率が向上すれば、女性の負担が低減し、社会・経済にも良い影響が期待されます。
ARTでの受精法には媒精(IVF)あるいは顕微授精(ICSI)があります。それらに使用する精子の評価はその運動性あるいは形態などの従来の手法がいまも臨床現場で用いられているのみです(図2)。
精子には男性側遺伝子(精子核)以外にも受精成立に必須な機能がたくさん存在し、卵子内で働いていることがわかってきました。
それらの要素は受精のみならず、その後の受精卵(胚)発育に重要な役割を果たしています(図3)。
それらの機能を推測しうる精子機能検査体系が導入されるなら、ARTの効率が大きく向上することが期待できます。
卵子に侵入したあとの胚発育に関わる精子機能の評価をそれぞれの患者男性で包括的かつ精子個別に評価・推測できる新しい精子機能の検査体系の創出を目指します。東北5県5大学産婦人科教室のご協力を得て進めてまいります。
また、その検査体系で選別された精子の実際の機能発現を現在国内アカデミアで唯一指針適合性確認通知を文部科学省より受けている「ヒト受精胚作製を行うART研究」で検証します。
それらに基づき「ART施行時に一般精液検査に加え施行すべき精子機能検査に関する提言」を発信してまいります。
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秋田大学大学院医学系研究科医学専攻
機能展開医学系 産婦人科学講座