二分脊椎
概念
発生期に神経管の閉鎖が不完全であった病態。
開放性
神経管閉鎖障害
脊髄髄膜瘤
嚢胞性
二分脊椎
閉鎖性
神経管閉鎖障害
髄膜瘤
潜在性二分脊椎
脊髄髄膜瘤は欧米の1/10、髄膜瘤は脊髄髄膜瘤の1/10。
脊髄髄膜瘤
出生前診断と予防
予防には葉酸が有効であると報告されている
*
。
母体血清中のAFPが高値になることから出生前診断が行われている。
* 欧米では妊娠の可能性があれば、0.4g/日の服用が推奨される
発生部位
腰仙椎部 …70%
胸腰椎部 …20%
仙椎部 …10%
局所所見
嚢胞性の腫瘤を覆う皮膚の中央は欠損している。
外表に露出した脊髄(placode)を直接見ることができる。
愛の変形を伴う。
神経学的所見
運動障害
:弛緩性麻痺、反射消失
感覚障害
:運動障害より高位までみられる。
膀胱直腸障害
:ほぼ全ての症例に見られる。
合併奇形
水頭症
:Magandie孔、Lushka孔の狭窄によることが多い。
Chiari奇形U型
:喘鳴、無呼吸発作を生じることがある。
治療
神経機能を最大限温存する。感染から保護する。そのために
早期手術!!
(48hr以内、特に24hr以内)
潜在性二分脊椎
概念
occult spinal dysraphism
脊髄係留症候群
…脊髄尾側端が内・中胚葉から分離されずに、脊髄の成長に伴った上行が阻止され、脊髄症状が出現したもの。
つまり、
症状が成長と共に出現してくる
。
合併奇形はない。
臨床症状
下位運動ニューロン障害
運動時の疼痛
腰痛
足のサイズが左右で異なる(足変形)
膀胱直腸障害
皮膚症状
陥没
瘻孔
萎縮
母斑
円形の瘢痕
局所の多毛
診断のポイント
成長と共に現れてくる下肢の運動障害と変形。
失禁
画像検査で椎弓欠損、脊椎管拡大を認める。
治療
幼児期に手術
髄膜瘤
まれな疾患。経過観察。予後良好。
『標準脳神経外科学 第9版』
『標準脳神経病学』
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