2. 内科治療(食事療法・運動療法・行動療法)について
食事や運動などの生活習慣の改善は肥満症の治療の基本です。薬物治療や外科療法などを行う場合でも、食事療法や運動療法は基本として必要です。
食事療法
糖質、たんぱく質、脂質やビタミンなど栄養素のバランスを保ちながら、適切な量の栄養を摂取することが重要です。
当院の管理栄養士が、実物大の食品模型である「フードモデル」を用いて、患者さんの生活に合った栄養指導を行い、治療をサポートします。
行動療法と組み合わせることも重要です。

運動療法
患者さんの状態に合わせて、運動療法の提案を行います。
筋力を高めるレジスタンス運動と筋肉を使う有酸素運動を組み合わせるとより効果が高まるとされますが、こまめに家事を行ったり階段を利用したりするなど、患者さんの日常生活に合って無理なく続けられる運動を選ぶことも勧められます。

行動療法
肥満症では、通常症状がありません。そのため生活習慣の改善によって肥満症が改善する時にも自分ではその効果は実感しにくいものです。
普段の生活の中でどのような行動が肥満症の改善や悪化につながるか、患者さん自身が気づき、行動を変える力にする治療法のことを行動療法と呼びます。
その方法には、グラフ化体重日記、食行動質問表、30回咀嚼法などがあります。
当院では医師、看護師、管理栄養士、臨床心理士などが患者さんのサポートを行っています。
グラフ化体重日記とは・・・
体重を記録してグラフにする日記ですが、実際に見ることで、体重の変化やそれらにつながる生活習慣に気付くことができ治療意欲を高めます。
食行動質問表とは・・・
患者さんご自身の食行動の「くせ」や「ずれ」を見つけることができます。
医療スタッフとも話し合って、改善するポイントを見つけるとよいでしょう。
30回咀嚼法とは・・・
食事の際に1度口に運んだものを30回咀嚼して飲み込むというものです。
しっかり咀嚼することで早食いを防ぎ、食本来のもつ歯ごたえや味覚を回復し、満腹感が改善します。
内臓脂肪の減少も期待できます。