講座概要

講座概要

私たち秋田大学大学院医学系研究科代謝·内分泌内科学講座は、糖尿病·高脂血症などの代謝疾患や、甲状腺·下垂体·副腎などの内分泌疾患を中心に診療·研究を中心に行っております。『それぞれの分野の専門医でありながらも、患者さんやその家族の価値観を最大限に尊重した全人的な診療姿勢を身につけ、チーム診療を実践できる「良き医療者」となることを志すこと、また、常に患者さんを前にして臨床上や研究上の疑問を追求する情熱や最先端の医学を学び考える素養を養う』ことを信条に、診療·研究·教育すべてに力を入れております。

当講座は1994年に発足し、初代伊藤 正毅教授が基盤をつくり、2006年には第2代となる山田祐一郎教授が就任しました。そして現在、2021年6月からは第3代目となる脇裕典教授の下、日々診療·研究に取り組んでおります。

初代伊藤正毅教授は当時現在の初期研修制度がない状況下において大学病院内での救急部研修や消化器内科での腹部超音波研修に加え市中病院でのローテ―ト研修と研修システムを構築されました。また数百枚に及ぶ胸部レントゲン所見症例を保存し医局員のトレーニングに用いるなど医局員の一内科医としてのスキルアップにご尽力されました。ご専門である糖尿病腎症の臨床面では早くから血糖管理のみでなくRAS系阻害薬を用いた厳格な血圧管理の重要性を説かれ、また秋田県全域を回り微量アルブミン測定を促進する啓蒙活動を行われました。研究面ではラジオイムノアッセイを用いたアルブミンに代わる腎症早期マーカーや糸球体膜透過性の検討、蛋白摂取時の糸球体過剰濾過に関する検討など幅広い基礎·臨床研究を展開し業績を挙げられました。

関連病院
関連病院

2代目教授である山田祐一郎教授は、インクレチン研究における日本の第一人者であり、特にglucose-dependent insulinotropic polypeptide(GIP)の世界的な研究者です。これらの功績から2013年にはベルツ賞一等賞を受賞されました。就任後には、インクレチンの様々な作用について数多くの研究成果を残されました。山田教授を慕って多くの医師が当科に入局することで秋田県内の糖尿病専門医の数も飛躍的に増加し、関連病院との連携が大幅に拡大されました。また、2010年には、主に秋田県で糖尿病診療に携わる医師やコメディカルなどの医療従事者、糖尿病患者及び家族に対して、糖尿病診療に関する正しい知識の普及·啓発することで保健·医療·福祉の増進に寄与することを目的とする秋田県糖尿病対策推進協議会の発足に尽力されました。山田教授が当講座に在籍中に様々な学会も開催されております。2018年には第18回日本糖尿病情報学会年次学術集会、第21回日本病態栄養学会年次学術集会、そして2019年には第62回日本糖尿病学会年次学術集会を主催されました。山田教授の多大な貢献により秋田県の糖尿病診療が飛躍的に向上したといえます。

2021年6月からは第3代目となる脇裕典教授が就任されました。当科発足当初に比較して医局員も徐々に増え、現在大学病院には、20名近くの医局員がおります。また関連する病院の数も増えてきており(図)、秋田県内における糖尿病、内分泌疾患の診療の質も年々向上しております。秋田県民のみなさまには安心して糖尿病·内分泌疾患の診療を受けられるよう引き続き努力してまいる所存であります。

関連病院

講座の沿革

1994年6月
老年科設置
1995年2月
伊藤 正毅 教授 着任
2002年4月
老年医学講座設置
2003年4月
内分泌・代謝・老年医学講座へ名称変更
2006年8月
山田 祐一郎 教授 着任
2010年4月
病態代謝栄養学講座(寄附講座)設置(2015年3月まで)
2020年7月
代謝・内分泌内科学講座へ名称変更
2021年6月
脇 裕典 教授 着任