秋田大学医学部 地域循環・若手医師・女性医師支援学講座

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研究科長挨拶

秋田大学 大学院医学系研究科長 尾野 恭一

秋田大学 大学院医学系研究科長
尾野 恭一

全国的に少子高齢化が急速に進む日本において、解決されなければならない3つの課題があります。一つ目は医療の需要が超高齢社会にも耐えうる医療提供体制を構築するための地域医療構想の実現。二つ目は、医師不足・医師偏在対策です。とりわけ、医師の都市部への集中(偏在)や専門の偏在への対策が重要な課題となっています。三つ目は医師の働き方改革。年間1860時間を超える時間外労働を強いられている医師が全国で2万人もいるとされており、この状況を改善することが急務であるとされています。

秋田県は全国で最も高齢化が進んでおり、上の3つの課題いずれも事態は深刻です。昨年厚労省が発表した医師偏在指標では医師少数県(全国41番目)に分類されています。全国同様、都市部(秋田県の場合は秋田市周辺)へ集中する傾向にあり、秋田市以外の地域の医師不足が極めて深刻です。さらに、地域で診療に従事する医師自身も次第に高齢化傾向にあります。一方、若手医師は、介護や子育てなど自身のライフイベントを抱えつつ、新たに始まった専門医制度のもと、彼ら自身の臨床スキルを高めていかなければなりません。「地域循環・若手医師・女性医師支援学講座」は、このような背景のもとで、地域医療連携に関する研究を進めるとともに、秋田県内の地域基幹病院の医師不足問題の解消に資するため設けられた寄附講座です。

医師不足が特に深刻な特定診療科の専門医による地域中核病院等への診療応援を行うとともに、若手医師、女性医師等のキャリア形成支援及び負担軽減に関する研究を進め、医師不足地域の医療機関における人材育成手法の向上を図ることにより、県民の健康増進と秋田県内の地域偏在・診療科偏在の状況を是正することを目的としています。本講座に所属する医師は、大学で教育・研究・診療に従事しながら、地域の医療機関への診療支援を行っています。