祭辞


 平成9年度秋田大学医学部実験動物慰霊祭にあたり、利用者を代表してここに謹んで祭辞を述べさせて頂きます。


利用者代表による祭辞その1

 平成8年度の1年間において、秋田大学医学部及び医療短大における使用実験動物数は、イヌ62頭、ネコ20匹、ウサギ516羽、モルモット313匹、ニワトリ147羽、ラット9,863匹、マウス3,107匹、ハムスター30匹、ブタ53頭、ヒツジ8頭、アライグマ6頭の多くを数えます。
 その結果、112編の論文発表及び255件の学会発表がなされ、基礎医学の進歩、臨床医学の発展、また医学生の教育に大きく寄与・貢献しました。
 近年、科学の進歩とともに、動物実験の持つ意義はますます増加しております。一方このことは同時に、あなた方動物の尊い犠牲の上に現在の科学の発展が成り立っていることを示しております。動物実験を行う上で我々研究者はこの重い事実を常に認識しておかなければなりません。また個々の動物実験が必要不可欠であるかどうかを繰り返し検討し、安易に動物実験に頼らずに、動物実験以外の研究方法がないかどうかを模索することが重要です。更にやむを得ず動物実験を行う場合にも、動物愛護の精神にのっとり、動物に無用の苦痛を与えないように細心の配慮をしなければなりません。そのため動物実験施設では、動物実験に関する講習会を定期的に開催し、また動物実験委員会では、実験計画が本学部動物実験指針に適合しているかどうかを厳正に審査しております。しかし最も重要なことは、規則を厳重にすることではなく、実験に携わる研究者が、自分の行っている動物実験が、あなた方動物たちの尊い犠牲の上に成り立っているということを認識することであります。そして、動物実験に代わる他の非侵襲的な研究方法を、常に模索することであると考えます。
本慰霊祭にあたりまして、私ども動物実験に携わる研究者は、医学の進歩のために犠牲となった数多くの動物の霊に対して、心より感謝の念をささげますとともに、あなた方が安らかな眠りにつかれることをお祈りし、祭辞とさせていただきます。


祭辞その2


平成9年9月30日       
秋田大学医学部第2外科    
南谷佳弘           


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