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バイオサイエンス教育・研究センター長挨拶 本日は、お忙しい中を実験動物慰霊式にお集まりいただき有難うございます。センター長の尾野でございます。今年も慰霊式の季節になりました。年に一度ではありますが、動物実験に関わる研究者がこうして一同に集い、実験動物の御霊を前にして、改めて科学研究者としての心構えを皆さんと一緒に確認させていただきたいと思います。 さて、動物実験をとりまく環境というのはここ数年とても厳しくなってきています。つい先日、科学誌Natureにドイツでの事例が掲載されておりました。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、少しだけ紹介させて下さい。 一昨年、チュービンゲンにあるマックスプランク研究所に動物愛護団体のメンバーが、どのような経緯で入れたのか詳細はわかりませんが、侵入いたしまして、半年間にわたって秘密裏に動物実験の様子を動画におさめていたというのです。それを七分間程度に編集した動画がテレビで放映され、その残酷さが一般の方々にとてもショックを与えました。原文ですと「hard to watch」ですから、見るに堪えられないということでしょうか。あまりにもひどいということで、研究を直ちに中止するようにという圧力がかかったという事例です。実際は、その動画はかなり意図的に、誤った印象を植え付けるためのもので、その後の第三者による調査で、動物の取り扱いは適正にかつ厳格に行われていたことが明らかになりました。記事では、その後研究所がどのような対応を行ったかについても記載されています。 |
医学研究科研究科長挨拶 皆さん、実験動物慰霊式にお集まりいただきまして誠に有り難うございます。医学部長の伊藤でございます。一言ご挨拶を申し上げます。 実験動物を使った実験というのは医学研究、生物学研究におきまして不可欠なものであることは間違いありません。今日お集まりの皆様も勿論そのことをひしと感じていることと思います。しかしながら、動物の命を奪うという行為がほぼ全ての動物実験に伴う、という事実も忘れてはいけません。そのことを我々は常に意識しながら実験を行わなければなりません。つまり、医学・生物学の発展、そして人類の幸福を求めるために、実験動物の動物たちは命を捧げているということなのです。是非、そのことを肝に銘じて日々の動物実験を行っていただきたいと思います。 先ほども尾野先生から話がありました動物実験に反対する人たち、この人たちは動物実験の一面しか見ていない、でもそれは先ほど述べたように重要な一面でもあります。ですから我々は常にその人たちの考え方も理解し、頭に入れながら、しかし動物実験は人類の幸せのために必要不可欠であることであることをしっかりと認識して研究を行っていただきたいと思います。 |
部門長挨拶 今年の4月から部門長を仰せつかりました石井でございます。宜しくお願いいたします。そしてまずお礼を申し上げます。 本日はお忙しい中を実験動物慰霊式に100名を越える皆様にお集まりいただき動物実験部門職員を代表して感謝致します。また、利用者の代表として器官・統合生理学講座の善積先生には慰霊の言葉をいただき有り難うございました。お陰様で無事本年度の慰霊式を終えることができました。 ところで、これまで動物実験部門の管理運営にご尽力いただいた松田准教授も今回の慰霊式が最後と言うことで、来年の3月にはご退官されます。松田先生の後任として今年の8月から西島和俊准教授を採用し、現在実務の引き継ぎを行い、皆様の研究に支障が出ないようにしているところです。 技術職員も新たに4人を加え、部門の若返りを図っておりますので、皆様の研究により役立つことが期待されます。 現在、動物実験部門の面積は3,500uあり、その中に16,000匹を越える動物が飼育され、毎日60人ほどの方が部門を利用しております。この数は5,000uクラスの施設と比べても見劣りがしません。動物実験部門としては部門職員一丸となって管理運営に邁進して参りますので、今後ともご協力の程宜しくお願い致します。 本日は有り難うございました。 |