ニュース 2022 8/5金曜日

 

脳神経外科学講座 小野 隆裕 助教が責任著者となる学術論文が国際誌『Journal of Neuro-Oncology』に掲載されました。

論文タイトル

Clinical, histopathological, and molecular features of IDH-wildtype indolent diffuse glioma: comparison with typical glioblastoma.

著者名

Suzuki H, Ono T, Koyota S, Takahashi M, Shimizu H

掲載誌

Journal of Neuro-Oncology

研究等概要

IDH野生型gliomaは最も頻度の高い悪性髄内腫瘍であり、現代の診断基準では全て最悪性のglioblastomaとして扱われる。一方、臨床的には病変が緩徐に増大したのち、ある一時期から急速に増大して、最終的にglioblastomaと診断される症例がみられる。緩徐増大期のIDH野生型gliomaに関する研究はほとんど行われておらず、このような症例が発症時からglioblastomaの特徴を有しているのか、あるいは前駆状態であったのかは不明であった。
本研究では過去10年の秋田大学のIDH野生型gliomaを後方視的に検討し、緩徐増大を示す症例の頻度や、組織学的、遺伝子学的特徴を明らかにした。特に緩徐増大を示すIDH野生型gliomaは一般的なglioblastomaと比較して、がん化経路の一つであるRB経路の異常を示す頻度や、EGFR遺伝子増幅、TERT promoter遺伝子変異、染色体7番増幅/10番欠失といった遺伝子異常を示す頻度が有意に低く、glioblastomaとは異なる特徴を持つことを報告した。
本研究はこれまで不明とされてきた緩徐増大を示すIDH野生型gliomaの遺伝子学的特徴を明らかにするものであり、今後の診断基準の改定、ひいては治療標的遺伝子の研究に貢献するものである。

参考URL

https://link.springer.com/article/10.1007/s11060-022-04074-9