ニュース 2022 5/27金曜日

 

保健学専攻 看護学講座 成田 好美 准教授の学術論文が国際誌『Clinical Oral Investigations』に掲載されました。

論文タイトル
Identifcation of the specifc microbial community compositions in saliva associated with periodontitis during pregnancy

著者名
Yoshimi Narita, Hideya Kodama

掲載誌
Clinical Oral Investigations

研究等概要
妊娠期の歯周病は、絨毛膜羊膜炎や早産のリスク因子であるが、妊婦は性ステロイドホルモンの増加に起因した歯肉炎や歯周病菌の増殖により、本来有している歯周病を悪化させやすい。従って、歯周病を有する妊婦では、特に妊娠期間中に歯周病を悪化させない対策が重要である。そこで本研究は、唾液中の細菌叢を最新の遺伝子解析方法で同定し、妊婦期の歯周炎に関連する唾液中の細菌叢の特徴を明らかにすることを目的とした。妊娠24〜28週の健康な妊婦53名の唾液を収集し、その細菌叢を16S rRNA 解析にて同定した。門、属、種レベルの細菌組成の相対量を、歯周炎のある妊婦(n=12)とない妊婦(n=41)とで比較した。最初に、それぞれの分類学的組成に関し、歯周炎のある妊婦とない妊婦を区別する目的に有効な細菌群をランダムフォレストモデルで特定し、次に特定されたそれぞれの分類学的組の両群間での構成の差を、主成分分析を用いて解析した。その結果、属レベルの細菌構成が最も有効に,両群を識別することが可能であった。歯周炎妊婦の唾液中の細菌叢の組成には,Neisseriaが減少し,歯周病に関連が深いと推測されているいくつかの細菌が増加しているという特徴が観察された。その結果を基に、予測式=(%Treponema +%Tannerella +%Filifactor +%Anaeroglobus)/%Neisseriaを作成した。この式で歯周炎を有する妊婦を予測すると、感度と特異度はそれぞれ0.67(8/12)と0.95(39/41)となり,高い特異性のもとで歯周炎を有する妊婦の60%以上を特定することが可能と考えられた。本研究の結果から、唾液の細菌叢をもとにした歯周病を有する妊婦のスクリーニング方法を提案できた。今後の課題は,この式の臨床的な有効性を前方視調査により確認することと、産科的リスクとの関係を明らかにすることである。