糸球体疾患

臨床症候分類

急性腎炎--先行感染の10-14日後に、蛋白尿、血尿、乏尿、浮腫を急激に発症する。治癒しうる。
急速進行性腎炎--週の単位で急に腎機能が低下する。蛋白尿、血尿、貧血。
慢性腎炎--年の単位で緩徐に腎機能が低下する。蛋白尿、血尿。
反復性、持続性血尿--反復性または持続性の血尿。腎機能は低下しない。
ネフローゼ症候群--蛋白尿(成人:>3.5g/day)、低蛋白血症、高脂血症。

糸球体病理像
Primary --7つの基本形
  1. 微小変化群 (MCD)
  2. 巣状分節状糸球体硬化症
  3. びまん性糸球体病変
    • 膜性腎症
    • 増殖性糸球体腎炎
      1. メサンギウム増殖性糸球体腎炎 (IgA or non-IgA)
      2. 膜性増殖性糸球体腎炎
      3. 管内増殖性糸球体腎炎
      4. 半月体形成糸球体腎炎 (管外増殖性)

Secondary --5つ
  1. 紫斑病性腎炎(紫斑病)
  2. ループス腎炎(SLE)
  3. 糖尿病性糸球体硬化症(糖尿病)
  4. アミロイド腎(アミロイドーシス)
  5. 良性反復性血尿

臨床症候と病理像の関係

Primary
 ネフローゼ急性慢性急速進行性反復性、
持続性
予後について
微小変化群    ステロイドが著効
巣状糸球体硬化症    治療抵抗性
膜性腎症   自然寛解あり
膜性増殖性 低補体血症
管内増殖性    溶連菌感染
メサンギウム増殖性
(IgA or non-IgA)
 上気道感染後
潜伏期なしの肉眼的血尿
半月体形成性    予後不良


Secondary
 ネフローゼ急性慢性急速進行性反復性、
持続性
腎炎以外の症状
紫斑病性腎炎 腹痛と紫斑
ループス腎炎 SLE
糖尿病性糸球体硬化症   予後不良
アミロイド腎    治療抵抗性、突然死
良性反復性血尿