僧帽弁狭窄症 (MS)

概念
僧帽弁弁口面積の減少により、拡張期に左房から左室への血流が障害されている状態。
心臓弁膜症の約35%、リウマチ熱による弁膜症中最も多い。
初発症状は労作性呼吸困難が多い。
20-40歳代の女性に多い。

診断
<肺鬱血症状>
  • 労作時呼吸困難
  • 血痰
<心雑音>
  • T音亢進
  • 僧帽弁開放音 (OS)
  • 拡張期ランブル
<心電図>
  • mitral P
  • Af
<心エコー>
  • 弁口面積減少
  • DDRの低下
  • 弁尖輝度増強
  • 後尖の異常運動
  • 腱索の短縮、肥厚など
合併症
弁膜疾患の合併症
治療
非観血的治療
心不全、Af、血栓・塞栓の治療 →ジギタリス、フロセミド、ワーファリンなど
経皮的観血治療
PTMC …SVC→RA−IAS→LAとアプローチする。心房中隔はBrockenbrough針で穿刺する。
外科的治療
  1. OMC
  2. MVR

観血的治療の適応

  1. NIHAU度以上
  2. 弁口面積1.5cm2以下 (臨床症状有)
  3. 症状がなくても左房内血栓・塞栓症がある
  4. 左房平均圧15mmHg以上

* MVRの適応
  1. PTMC、OMC施行困難例
  2. 中等度以上のMRの合併
  3. 僧帽弁の石灰化が強い
補足
リウマチ熱は、リウマチ熱→心炎→MR→MS、と悪化していく。

『病気が見える vol.2』MEDIC MEDIA

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