私論

2016年初頭にあたって

教授 島田洋一

新年を迎え、新たな気持ちで仕事に取りかかっています。

教室ホームページの充実を図るため、野坂光司先生を責任者としたところ、あっという間にグレードアップしました。特に、整形外科ブログは、新着情報の豊富さでは他学に負けないまでになりました。木島泰明先生がフランスに留学して海外生活をリアルタイムでブログにアップし、まるで読んでいる私たちまでフランス通になったような気になりました。昨年末にイギリス・ノッティンガムに留学している工藤大輔先生も充実した研修の模様、イギリスのAmazonのいい加減さを伝えてくれ、大いに楽しんでいます。

昨日の医局会で、32歳以下の医局員が28名いることを齊藤英知総務医長の報告で改めて知りました。『元気の源は若さ』。これは古今東西変わらない真実で、教室は、彼らの漲るエネルギーで溢れています。スポーツと学問の両立を掲げていますが、俗に言う文武両道ではありません。『学生に負けるようなことはするな』、『準優勝は敗者だ』、『勉強はいつでもできるが運動は今しかできない』などと、凡そ臨床教室では考えられないものです。しかし、若さはこれらを全く諸共せず、各人がスポーツのみならず、学問の上でも想像を超える活躍をして、業績を挙げています。『二兎追う者は一兎を獲ず』ではなく、『二兎追う者は二兎を獲る』のスローガンの下、今年は更に飛躍して欲しいと思います。特に、5月に横浜で開催される日本整形外科学会では、3 on 3のバスケットボール競技が89年の歴史を持つ総会で初めて開催されます。秋田県郡市対抗クラブバスケットボール大会優勝の圧倒的な実績を誇る整佑会公認・ノーザンバイソンズ(藤井 昌TD、赤川 学CAP)は、初代王者の栄冠を勝ち取るため、すでに表彰式のイメージトレーニングに入っています。続編で是非、優勝報告をしたいと思います。

昨年末より、『ゴードン・スミスの見た明治の日本』(伊井春樹・著)を読んで、考えさせられることがあったので、お伝えします。

リチャード・ゴードン・スミス(1858~1918)は、大英博物館の標本採集員として明治31年(1898年)に日本を訪れた博物学者です。彼は、現代の視点からすると失われた明治日本の姿をとどめました。8冊の詳細な日記の中には、写真、絵師に描かせた生活風俗の絵が文章と共に載せられており、当時の日本人を知る第一級の史料です。特に、日露戦争に赴く兵士、家族や日本人の精神をヨーロッパ人と比較して、尊崇の念を抱いています。当時、ヨーロッパ人から見れば、日本人は無宗教で、迷信に頼った生活をしていると思われていました。しかし、スミスは、日本人は全ての面で秩序を保ち、もの静かで、規律に従う特性があり、いわゆるキーワードは『大和魂』、『武士道』であろうと喝破しています。特に、少年であってもこの特性を備えていることに驚嘆しています。多くは、まだ自覚のない子供の頃からその精神性を身につける訓練が行われていると述べています。スミスが100年前に指摘した日本人の特性は、間違いなく現在も脈々と維持されているのだと思いました。

教室からは、アメリカ、スウエ―デン、ドイツ、フランス、イギリスと多くの国々に留学していますが、いずれの先生方も先方より高い評価を得ています。彼らも100年前のすばらしい明治日本人と同じ素養を満遍なく海外で発揮してきたのでしょう。これから、続々と若い教室員が海外に出て行きます。我々は、ヨーロッパ人を感嘆させた明治日本人の末裔であるという誇りを持って大いに活躍してほしいと思います。

少し固い内容になってしまいましたが、先日、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を観てきました。おきまりのセリフである『フォースと共にあらんことを』を胸に刻み、一致団結して成功を掴み取りましょう。