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第12号(平成19年4月27日発行) 【PDF】

 秋田県は早くから様々な自殺予防対策に取り組んできていますが、昨年(平成18年)の自殺者数は493人(秋田県警調べ)で、前年比+26人となりました。そこで、第19回自殺予防研究プロジェクトセミナーを4月23日(金)、「秋田県の自殺予防対策を振り返る」をテーマに、稲村茂氏(笠松病院院長・精神科医)、佐藤久男氏(NPO法人蜘蛛の糸代表)、そして袴田俊英氏(藤里町・心といのちを考える会代表)を話題提供者としてお招きして開催しました。

 秋田県内の今までの取り組みとして、地域住民や一般臨床医を対象にしたうつ病に関する啓発・研修活動、中小企業経営者の倒産前後の危機介入、そして地域でのつながりをつくるサロン活動などが紹介されました。またモデル事業として取り組んだ6町ではほぼ半減するという成果が得られ、その詳細は「自殺が減った町−秋田県の挑戦」(本橋豊著、岩波書店)に紹介されています。

 しかし、地域の現状として「住民はこころの健康や自殺予防よりも生活習慣病や人町予防に関心を持っているので事業展開が難しい」「組織内で温度差があって意思統一が難しい」「どのように取り組んだらいいかわからないので不安」などの意見や、救急医療の立場から自殺を隠しておきたいという家族の強い気持ちが医療とのアクセスに障害となった例の報告などがありました。

 以上の話し合いの中から、今まで取り組んで来た所とそうでない所の差がとても大きいこと、心の健康づくりや自殺予防に関する住民への働きかけがまだ不足していること、そして秋田県の取り組みの特徴でもある住民参加による町づくりを視野にいれた取り組みの成果が出てくるのにはもう少し時間がかかることなどが確認されました。今後は現在展開されているそれぞれの取り組みを再点検し、連携を意識して取り組むことが必要になることから、これを次回セミナーの課題として取り上げることにしました。


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プロジェクト責任者: 本橋 豊(医学部教授) E-mail: motohasi@med.akita-u.ac.jp