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ご挨拶

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西川俊昭 教授

私は鈴樹正大教授の後任として、1996年9月に秋田大学医学部麻酔学講座教授に就任致しました。

私は1978年に札幌医科大学を卒業した後、当時高橋長雄教授の主宰する麻酔学講座で並木昭義助教授(現在、札幌医科大学名誉教授)および土肥修司助教授(現在、岐阜大学名誉教授)の指導の下、麻酔科学の初期研修を受けました。1987年からは34年間生まれ育った北海道を離れ、筑波大学臨床医学系麻酔科にて、内藤裕史教授(現在、筑波大学名誉教授)ならびに土肥助教授から懇切丁寧な指導を受ける機会に恵まれ、麻酔科学の診療・研究・教育における指導者として必要な基本的素養を学ぶ事ができました。この間、1991年から1993年の2年間、米国ジョンズホプキンス大学医学部麻酔・集中治療医学教室の Traystman 教授の下で脳循環・脳虚血の研究をさせて頂き、これは現在私の研究の一分野ともなっております。

さて、秋田大学麻酔科が発足したのは1971年で、旧県立中央病院から秋田大学医学部附属病院の移管に伴うものでありました。1973年に麻酔学講座が開設され、その後25年間にわたり、渡部美種初代教授ならびに鈴樹正大教授らによって築き上げられ、両教授の臨床麻酔および集中治療、特に小児の麻酔管理や人工呼吸管理における多大なるご尽力により、多くの本学卒業生の麻酔科医師が育成され現在に至っております。日常診療業務としては中央手術室における麻酔管理、集中治療部における患者管理、および外来・入院患者を対象とするペインクリニックを中心に行っており、県内20の施設に麻酔科常勤医あるいは出張医を派遣しております。なお、秋田大学医学部麻酔学講座の名称は、2004年4月に秋田大学医学部 統合医学講座 麻酔科学蘇生学分野、2010年4月に秋田大学大学院医学系研究科 医学専攻病態制御系 麻酔蘇生疼痛管理学講座に変更されております。

秋田県では長年にわたり心肺蘇生の教育・啓発活動に関して各方面からの多大なご尽力があり、また脳血管疾患の撲滅を目指し約半世紀前から脳血管研究センターを設立するなど、全国でも先駈けて脳血管疾患の治療ならびに研究を推進してきた経緯があります。しかし秋田県では未だ麻酔科医師が不足しており、麻酔科医師の需要が多く供給が追いつかない状況であります。そのため、臨床医師として麻酔科医師を育成することが第一の方針であります。麻酔科医師として麻酔管理に加えて、集中治療医学、蘇生学、疼痛管理学(ペインクリニック)を習得することが基本で、入局6年以降で麻酔科専門医の資格を得るまでは臨床中心の業務であります。なお卒後2年までの初期研修医については、1〜3か月間の麻酔科研修を随時受け入れております。

麻酔科の1日は、毎朝8時(月曜日は7時45分)からのミーティングで始まります。約45分~60分間に、最新の麻酔学・集中治療医学・ペインクリニック関連の論文の紹介や各自臨床・基礎研究の経過報告の後、当日および麻酔相談のあった手術症例についての問題点・麻酔方法・術後管理等について検討を行っています。この間の教育においては、日常診療においては患者に安全な麻酔サービスを提供することは勿論でありますが、症例の蓄積と綿密な臨床的観察を重視し、学会および論文発表を通して、臨床麻酔、集中治療、ペインクリニック等における専門医を育成する方針であります。あくまでも、その個々人の適性に応じて配置を考え、基礎研究を希望する場合は大学院進学あるいは海外留学を、より専門的かつ特徴ある臨床研修を希望する場合は国内留学を推進していきたいと考えております。

現在、当講座における主な研究主題は、

  1. 麻酔薬および関連薬が呼吸循環に及ぼす影響に関する臨床・基礎研究
  2. アルファ2受容体作動薬の麻酔・鎮痛効果に関する臨床・基礎研究
  3. 脳脊髄虚血に対する薬物効果に関する基礎研究
  4. 急性術後痛に関する臨床研究
  5. 硬膜外麻酔の安全性に関する臨床研究
  6. 小児麻酔における前投薬に関する臨床研究
  7. 肺虚血再灌流障害に関する基礎研究
  8. 血管反応性に関する基礎研究
  9. 高次脳機能障害に関する基礎研究

等があります。

次図の様に年々麻酔・手術件数は増加の一途を辿っており、臨床業務に追われ基礎研究に充分な時間を取れない現況ではありますが、私は常々、臨床医師としての麻酔科医師は臨床を中心として研究を行うべきであるとの考えを持っております。最近、少しずつではありますが、研究成果も上がってきており、 今後とも秋田大学医学部麻酔科として特色ある研究システムを造り上げる方針であります。

今後とも麻酔蘇生疼痛管理学講座ならびに秋田県医療の更なる発展のため微力ながら努力する所存でありますので、皆様にはご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。


中央手術部における麻酔・手術症例数の推移(1997〜2016)

手術数