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臨床の紹介

2001年~2004年の調査で、視覚障害原因疾患の1位は緑内障、2位に糖尿病網膜症、3位が網膜色素変性症、4位は加齢黄斑変性という統計結果が出ました。当講座では特にこれらの重篤な視覚障害をきたす緑内障、網膜硝子体疾患の臨床に力を注いでおります。

緑内障

視神経の画像解析装置結果

視神経の画像解析装置結果

緑内障は我が国における失明原因の1位を占める、重要な眼の病気です。最近の調査によると、40歳以上の全人口の中で緑内障患者は5%とされています。20人に一人という多くの人が緑内障に罹患しており、しかも緑内障があるのにもかかわらず、これに気付かずに過ごしている人が大勢いることも判明しました。緑内障の症状は見える範囲(視野)が狭くなることですが、初期は視野障害があっても全く自覚しないことがほとんどです。閉塞隅角緑内障というタイプの緑内障の中には、急激に眼圧が上昇し、眼痛・充血・目のかすみのほか、頭痛や吐き気を自覚することもありますが、正常眼圧緑内障という、最も多いタイプの緑内障では眼圧も正常で、自覚症状はほとんどありません。

最近の緑内障の診断と治療の進歩は目覚しく、早期発見・早期治療によって失明の危険性を減らすことができるようになっています。秋田大眼科では視神経の立体写真をとる特別な眼底カメラ、3次元画像解析装置を用いた視神経の画像解析装置、隅角の超音波検査装置など、最新の診断機器を導入し、患者さんの早期発見に努めています。また、視野の検査もその一人一人の結果をコンピュータで解析し、今後の進行を予測して治療にあたっています。

緑内障の治療法について

緑内障は、眼圧を下げることができれば、その進行を防止したり、遅らせたりすることができる可能性のある病気です。

ただし、ひとたび障害されてしまった視神経は、残念ながら回復することはありません。また、どんなに手を尽くしても進行を止められない緑内障もあります。

しかし、早期に緑内障を発見できれば、言い換えれば、まだ視神経の障害が軽いうちに手を打つことができれば、失明に至る危険性はぐっと少なくなります。

治療方法としては、薬物療法・レーザー治療・手術がありますが、すべての緑内障に対して同じ治療効果があるのではなく、緑内障のタイプやそれぞれの人に適した治療方針を決定してゆくことがとても重要です。

(1) 薬物療法

多くの緑内障では、薬物療法が治療の基本となります。現在では、さまざまな薬効を持った点眼薬が発売されており、緑内障のタイプ・重症度・眼圧の高さなどに応じて処方されます。一種類の目薬だけで効果が少ないと判断された場合は、複数の目薬を組み合わせて処方されます。また、眼圧を下げる飲み薬もありますが、全身の副作用が強く出ることがあり、内服できない場合もあります。

(2) レーザー治療

レーザー治療には主に二つの方法があります。ひとつは、虹彩(いわゆる茶目)に孔を開けて、眼内の房水の流れを変えるというもので、多くの閉塞隅角緑内障がこの方法によって治療可能です。虹彩に孔を開けるときにレーザーを使用します。もうひとつは、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するためのレーザー治療です。一部の開放隅角緑内障に効果があります。レーザー治療は外来で行うことができます。

(3) 手術

薬物療法やレーザー治療が功を奏さなかった場合に行われる治療です。大まかには、房水を眼外に染み出すように細工をする手術と、線維柱帯を切開して房水の排出をたやすくしてやる手術の二つがあります。緑内障の手術方法は年々改良が進み、治療成績もかなり改善されてきました。

網膜硝子体疾患

加齢黄斑変性、中心性漿液性網脈絡膜症、黄斑円孔、黄斑浮腫、網膜上膜などの黄斑疾患や、糖尿病網膜症、網膜剥離、血管閉塞性疾患(網膜静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症など)。

光干渉断層計(OCT)

加齢黄斑変性のOCT画像

加齢黄斑変性のOCT画像

近年、網膜硝子体疾患の診断、治療は著しい進歩を遂げています。網膜の層構造を細胞~組織レベルで非侵襲的に観察できるOCTは網膜硝子体疾患の病態解明、診断、治療効果の判定に大きく貢献し、いまや最先端の網膜硝子体疾患の診療に不可欠のものとなっております。当講座でもOCTを用いて加齢黄斑変性をはじめとした黄斑疾患の診療に当たっています。

光線力学的療法(PDT)と抗血管新生薬

PDT治療

PDT治療

インドシアニングリーン蛍光眼底造影写真

インドシアニングリーン
蛍光眼底造影写真

加齢黄斑変性では黄斑部に脈絡膜由来の血管新生が起こりますが、部位的にも治療が困難で、進行すると高度の視力障害をきたす難治性疾患です。当科では、加齢黄斑変性に代表される脈絡膜新生血管に対して、インドシアニングリーン蛍光眼底造影やOCTなどの検査機器を用いた診断を進めており、光線力学的療法(PDT)や抗血管新生薬によって症例に応じた最適な治療を行い良好な結果を得ております。PDTは年間150件以上行っており,認定医3人が治療にあたっております。

硝子体手術

硝子体手術

硝子体手術

網膜硝子体疾患の治療で大きな役割を果たしているのが硝子体手術です。硝子体手術は顕微鏡や手術器具の進歩により適応が広がり、様々な疾患で治療法の1手段となってきました。当院では顕微鏡スリット照明やキセノン照明、小切開無縫合硝子体手術などの最新のシステムと手技を導入してより安全で確実かつ短時間で侵襲の少ない手術を目指しています。

白内障手術

最新の超音波乳化吸引術装置(白内障手術用)が、二台稼動しており、白内障手術と眼内レンズ挿入術がより効率よく安全に行えるようになっています。折畳み眼内レンズを導入しており、小さな切開での手術が可能になっています。

角膜移植手術

侵襲を少なくかつ合併症を軽減する目的で、新しい角膜移植手術(深層角膜移植)を導入しています。

羊膜移植 難治性眼疾患に対する羊膜移植手術

再発翼状片、角膜上皮欠損(角膜移植によるものを含む)角膜穿孔、角膜化学腐食、角膜瘢痕、眼窩癒着(スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、熱・化学外傷瘢痕期その他の重症の瘢痕性角膜疾患を含む)結膜上皮内過形成または、結膜腫瘍その他の眼表面疾患に係わる難治性のものについて羊膜を用いた手術を行っております。

羊膜移植:冷凍凍結したヒト羊膜を眼表面に移植することによって、眼表面を再生させます。