第三章 都道府県等の措置等

(犬及びねこの引取り)

第十八条

 都道府県等(都道府県及び指定都市、地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)その他政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)は、犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。この場合において、都道府県知事等(都道府県等の長をいう。以下同じ。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。
前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。
都道府県知事は、市町村(特別区を含む。)の長(指定都市、中核市及び第一項の政令で定める市の長を除く。)に対し、第一項(前項において準用する場合を含む。第五項及び第六項において同じ。)の規定による犬又はねこの引取りに関し、必要な協力を求めることができる。
都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする公益法人その他の者に犬及びねこの引取りを委託することができる。


内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項の規定により引取りを求められた場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。
国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第一項の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。


(犬及びねこの引取り)

第七条

 都道府県又は政令で定める市(以下「都道府県等」という。)は、犬またはねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。この場合において、都道府県知事又は当該政令で定める市の長(以下「都道府県知事等」という。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。

前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。
都道府県知事は、市町村長(第1項の政令で定める市の長を除き、特別区の区長を含む。)に対し、第一項(前項において準用する場合を含む。以下第五項及び第六項において同じ。)の規定による犬又はねこの引取りに関し、必要な協力を求めることができる。
都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする公益法人その他の者に犬及びねこの引取りを委託することができる。
都道府県等は、第一項の引取りに関し、条例で定めるところにより、手数料を徴収することができる。
6内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項の規定により引取りを求められた場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。
7国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第1項の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。
(負傷動物等の発見者の通報措置)

第十九条

 道路、公園、広場その他の公共の場所において、疾病にかかり、若しくは負傷した犬、ねこ等の動物の死体を発見した者は、すみやかに、その所有者が判明しているときは所有者に、その所有者が判明しないときは都道府県知事等に通報するように努めなければならない。
都道府県等は、前項の規定による通報があったときは、その動物又はその動物の死体を収容しなければならない。
前条第項の規定は、前項の規定により動物を収容する場合に準用する。
(負傷動物等の発見者の通報措置)

第八条

 道路、公園、広場その他の公共の場所において、疾病にかかり、若しくは負傷した犬、ねこ等の動物の死体を発見した者は、すみやかに、その所有者が判明しているときは所有者に、その所有者が判明しないときは都道府県知事等に通報するように努めなければならない。
都道府県等は、前項の規定による通報があったときは、その動物又はその動物の死体を収容しなければならない。
前条第項の規定は、前項の規定により動物を収容する場合に準用する。
(犬及びねこの繁殖制限)

第二十条

 犬又はねこの所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。
都道府県等は,第十八条第一項の規定による犬又はねこの引取り等に際して、前項に規定する措置が適切になされるよう、必要な指導及び助言を行うように努めなければならない.

(動物愛護推進員)

第二十一条

 都道府県知事等は、地域における犬、ねこ等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから、動物愛護推進員を委嘱することができる。
動物愛護推進員は、次にあげる活動を行う。

犬、ねこ等の動物の愛護と適正な飼養の重要性について住民の理解を深めること。
住民に対し、その求めに応じて、犬、ねこ等の動物がみだりに繁殖することを防止するための生殖を不能とする手術その他の措置に関する必要な助言をすること.
犬、ねこ等の動物の所有者等に対し、その求めに応じて、これらの動物に適正な飼養を受ける機会を与えるために譲渡のあっせんその他の必要な支援をすること。
犬、ねこ等の動物の愛護と適正な飼養の推進のために国又は都道府県等が行う施策に必要な協力をすること。

(協議会)

第二十二条

 都道府県等、動物の愛護を目的とする公益法人、獣医師の団体その他の動物の愛護と適正な飼養について普及啓発を行っている団体等は、当該都道府県等における動物愛護推進員の委嘱の推進、動物愛護推進員の活動に対する支援等に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる。
(犬及びねこの繁殖制限)

第九条

 犬又はねこの所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。
  第四章 雑則

(動物を殺す場合の方法)

第二十三条

 動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。
内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、前項の方法に関し必要な事項を定めることができる。


(動物を殺す場合の方法)

第十条

 動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。
内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、前項の方法に関し必要な事項を定めることができる。
(動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置)

第二十四条

 動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する場合には、その利用に必要な限度において、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。
動物が科学上の利用に供された後において回復の見込みのない状態に陥っている場合には、その科学上の利用に供した者は、直ちに、できる限り苦痛を与えない方法によってその動物を処分しなければならない。
内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項の方法及び前項の措置に関しよるべき基準を定めることができる。
(動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置)

第十一条

 動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する場合には、その利用に必要な限度において、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。
動物が科学上の利用に供された後において回復の見込みのない状態に陥っている場合には、その科学上の利用に供した者は、直ちに、できる限り苦痛を与えない方法によってその動物を処分しなければならない。
内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項の方法及び前項の措置に関しよるべき基準を定めることができる。
(経過措置)

第二十五条

 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。


(動物愛護審議会)

第二十六条

 総理府に、動物愛護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
審議会は、内閣総理大臣の諮間に応じ、動物の愛護及び管理に関する重要事項を調査審議する。
内閣総理大臣は、第五条第四項、第十一条第一項若しくは第二十四条第三項の基準の設定、第十五条第一項の事態の設定又は第十八条第五項(第十九条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第二十三条第二項の定めをしようとするときは、審議会に諮問しなければならない。これらの基準、事態又は定めを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
審議会は、動物の愛護及び管理に関する重要事項について内閣総理大臣に意見を述べることができる。
審議会は、委員十五人以内で組織する。
委員は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。 ただし、その過半数は、動物に関する専門の学識経験を有する者のうちから任命しなければならない。
委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、非常勤とする。
前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
(動物保護審議会)

第十二条

 総理府に、動物保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
審議会は、内閣総理大臣の諮間に応じ、動物の保護及び管理に関する重要事項を調査審議する。
内閣総理大臣は、第四条第二項若しくは前条第三項の基準の設定又は第七条第五項(第八条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第十条第二項の定めをしようとするときは、審議会に諮問しなければならない。これらの基準又は定めを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
審議会は、動物の保護及び管理に関する重要事項について内閣総理大臣に意見を述べることができる。
審議会は、委員十五人以内で組織する。
委員は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。 ただし、その過半数は、動物に関する専門の学識経験を有する者のうちから任命しなければならない。
委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、非常勤とする。
前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
  第五章(罰則)

第二十七条

 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者は、三十万円以下の罰金に処する。
愛護動物を遺棄した者は、三十万円以下の罰金に処する。
前三項において「愛護動物」とは、次の各号に揚げる動物をいう。

牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの
(罰則)

第十三条

 保護動物を虐待し、又は遺棄した者は、三万円以下の罰金又は科料に処する。




前項において「保護動物」とは、次の各号に揚げる動物をいう。

牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類又は鳥類に属するもの
第二十八条

 第十二条第二項の規定による命令に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

第二十九条

 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

第八条第一項又は第九条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出を出した者
第十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第十五条第二項の規定による命令に違反したもの

第三十条

 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第三十一条

 第九条第二項又は第十条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の過料に処する。


  附 則 (今回の一部改正部分)

(施行期日)

第一条

 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、公布の日から施行する。

(検討)

第二条

 政府は、この法律の施行後五年を目途として、国、地方公共団体等における動物の愛護及び管理に関する各種の取組の状況等を勘案して、改正後の動物の愛護及び管理に関する法律の施行の状況について検討を加え、動物の適正な飼養及び保管の観点から必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


(施行前の準備)

第三条

 改正後の第十一条第一項の基準の設定及び改正後の第十五条第一項の事態の設定については、内閣総理大臣は、この法律の施行前においても動物保護審議会に諮問することができる。

(経過措置)

第四条

 この法律の施行の際現に改正後の第八条第一項に規定する飼養施設を設置して同項に規定する動物取扱業を営んでいる者は、当該飼養施設を設置する事業所ごとに、この法律の施行の日から六十日以内に、総理府令で定めるところにより、同条第二項に規定する書類を添付して、同条第一項各号に掲げる事項を都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、その長とする。)に届け出なければならない。
前項の規定による届出をした者は、改正後の第八条第一項の規定による届出をした者とみなす。
第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
法人の代表又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

(総理府設置法の一部改正)

第五条

 以下省略



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